Unwed Sailor / Heavy Age  気弱なポストロック少年から、渋くて頼れる大人へ 

こんにちは。

Unwed Sailorはシアトル出身のベーシストJohnathon Fordを中心とするポストロックバンドです。

インディーズ感マシマシなポストロックの超名門Burnt Toast Vinylより多くのアルバムをリリースしていることもあり、そのサウンドはExplosions In The Sky直系の瑞々しくて叙情的なポストロックに青々しいDIY感をどっぷり注ぎ込んだものです。

しかし、エモーショナルさはそのままに徐々に叙情系アンビエントへとシフトします。

そして、その後はしばらくアルバムリリースはされていませんでしたが、11年振りにリリースされたのが本作Heavy Ageです。

※初期のアルバムについて、ここでもちょっとだけ語っています。もし宜しければご覧ください。

Heavy Ageの魅力 / 今までのUnwed Sailorからは予測不能だったメタライズ

面白いところは、今まで所属していたBurnt Toast Vinylを離れている点でしょう。
レーベルのカラーだった(なよなよしいと解釈されがちな)繊細さが薄れ、朗らかさ・力強さが増しています。

力強いドラムスに、勢いの良いベースライン。
ギターアルペジオにも行進のような前向きな推進力があるうえに、猛々しく歪むギターは今までもUnwed Sailorには見られなかった特徴です。


重々しいリフをツインギターで重ねる瞬間もあり、ニューメタル的なドローン・ヘヴィサウンドを繰り出すことさえあり、今までにはないサウンドの分厚さを感じます。

むろん、ポストロック的聡明さも健在です。
アルバム全体で一貫としているミドルテンポも特徴です。

以前のアルバムにはなかった深みのある落ち着きを感じますし、アコースティックギターを伸びやかに響かせるような曲も健在です。
そして、最も重要なことは誰かに牙をむくような幼い攻撃性は皆無であるということです。

分厚さや激しさはあれど、いかなる時にも深みがあり、聴く者に安心感を与えます。
素敵ですよね。

子供の繊細さとしてのポストロック・大人の落ち着きを表現するためのメタル

本作Heavy AgeはUnwed Sailor史において重要な作品として位置付けられるアルバムになるでしょう。

繊細さを前面に押し出してそれを武器としていた頃、Unwed Sailorは不器用で瑞々しいポストロックサウンドから叙情的アンビエントサウンドへと変貌してきました。
その過程は、今にして思えば少しずつ内にこもっていく過程だったとも言えるかもしれません。

しかし、十一年後に帰ってきたときにはUnwed Sailorは大人になっていました。
ややもすれば偏見の目で見られがちなスタイルをさらりと使いこなし、抜群の安定感を手にしていました。

本作Heavy Ageはポストロック史においても重要な作品としても位置付けられるでしょう。
繊細な文学青年が、酸いも甘いもかみ分けた渋くて頼りがいのある大人へと変貌を遂げたようなアルバムとして。


それでは。

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