こんにちは。
Tychoはアメリカ出身のScot Hansenのソロ・プロジェクトです。
また、グラフィックデザイナーとしても活躍する多才な彼の、音楽家としてのアルターエゴでもあるようですね。
Fuji Rock Festival 2019への出演も発表されています。

ジャンルとしてはエレクトロニカになるでしょう。
柔らかなシンセに心地よいダウンテンポが白昼夢的なサウンドスケープを生み出しています。
2011年にリリースされたDive以降に注目が集まっていますが、デビュー作ともいえる2006年リリースの本作も非常に素晴らしい作品です。
※厳密には2004年にリリースされたSunrise Projectorに新たな収録曲を追加したものです。
Past Is Prologueの魅力 Tycho随一のドリームサイケ感
Past Is Prologueの特徴はサイケデリックで色彩豊かな感覚でしょう。
透き通るような浮遊感が際立つDive以降とは明確に特徴を異にしています。
基本的な特色は大きくは変わりません。
ただし、時折登場するアナログレコードのチリノイズを連想させるエフェクトに象徴されるような、ウォーミーな手触りを前面に出しています。
レトロで優しく、ほんのりグルーヴィーなベース・シンセ。
揺れるに柔らかなシンセ。
シネマティックなボイス・サンプル。
それらが優しく絡まり、夜に溶ける湯気のように静かに立ち昇るサイケの匂い。
なんとも心地よい陶酔感に包まれます。
幻想的な雰囲気は他のTycho作品に全く引けをとりません。
それに加えて、次から次へと全く異なる色彩で彩られたノスタルジックな風景を投影されているような鮮やかさが、本作にはあります。
どこか粗削りな感じにも、ちょっと惹きつけられますね。
それでは。
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