Tiny Leavesのアルバムについて。 クラシカルな気品の奥底で胎動するインディーロックの生命力。

こんにちは。

Tiny LeavesはUK出身の Joel Nathaniel Pikeによるソロ・プロジェクトです。

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カテゴリーとしてはいわゆるポスト・クラシカルに当てはまるものになるでしょう。

ピアノ、ストリングス、アコースティックギターなどの小規模でクラシカルな編成で瑞々しくも繊細な楽曲を奏でています。

2020年3月現在、彼は4枚のフルアルバムをリリースしています。
本記事ではその全てを語ります。

Tiny Leavesの全アルバムについて。優しく澄み渡る、ポスト・クラシカルの響き。

アルバムごとに語っていくことになりますが、文字だけでは分かりにくいのでアルバムの相関図を作ってみました。

では、アルバムごとに見ていきましょう。

(1st)A Good Land, An Excellent Land

クラシカルな楽器を用いつつも、繊細なインディーロックを思わせるひそやかな躍動感を漂わせたアルバムです。

地理的にも精神的にも故郷(Home)とそれにまつわる感情をテーマにしたという本作は、情感豊かなピアノの旋律を中心にギターやストリングスが静かに舞うように散りばめられています。
豊潤な響きが優雅に奔流しているとも言い換えられるかもしれません。

他のアルバムと同様にビートを刻む楽器は登場しませんが、しっとりと澄み切ったサウンドスケープの奥底でインディーロック的な生命力が刻々と胎動しているのを感じます。
しかし、アルバム全体は常に優しい雰囲気をまとっており、心地よく揺蕩う音色には情感的な美しさが漂っています。

デビュー作らしい無垢な奔放さとポスト・クラシカルらしい優美さが溶け合っており、もっとも純粋さを感じさせるアルバムと言えるでしょう。

(2nd)A Certain Tide

前作をより深化させたような作品です。

各旋律の旋律がさらに情感的でたおやかになり、それらが重層的に重なりながら深い響きを作り上げています。
また、全体的に曲の展開に緩急が強めにつくようにもなっているため、聴き手を力強く引き込むエモーショナルさを感じます。


<聖なるものと普通のものの出会い><混沌のなかの希望><シンプルなもののなかに宿る美のダンス」>を本作はテーマにしたそうですが、確かにサウンドからは人間的な瑞々しさだけでなく、聖性を感じさせる荘厳さも溢れ出しているように思います。

ピアノのエモーショナルな旋律、ストリングスの深く胸を打つ響き、インディーロック的な生命力などは本作でも健在ですが、より壮麗で叙情的な変化を遂げています。
心の奥底まですっと入ってくるような、そして神々しい光輝を残していくような、内的でありながらも壮大な美しさを湛えています。

本作には美しくて偉大な何かと向き合った時に感じる様々な感情が描かれているのかもしれません。
荘厳な存在と遭遇し、時に恐怖を感じさせ、やがて手を取り合う。

壮麗な旋律を聴いていると、そんな物語を想像したくなります。

(3rd)Notes On Belonging

クラシカルで静謐な優美さはそのままにポストロック的な叙情性に接近したアルバムです。

収録されているのは長尺の4曲で、複雑精緻に展開しつつもロック的な感覚が過去作よりもやや強めに出ているように感じます。

テーマになっているのはウェールズ語のCynefinという語で、<自身が住んでいて当然のように順応している環境>、<帰属の感覚><故郷の切望>などを意味する言葉だそうです。

つまり、作品に込められているのは故郷へのノスタルジーに類する感情と言ってもよいでしょう。
実際、ノスタルジックな雰囲気がしばしば曲中を漂っています。
ただ、それと同じくらいインディーロック的な生命力が強まっているのも印象的です。


叙情性はそのままに力強さを増したピアノやストリングス、存在感を高めるエレクトリックギター、時折顔を出す音響的アプローチ、長尺で複雑な曲展開はポストロックとクラシックの両方を意識しているらしく、アルバム全体としての物語性を感じさせます。

瑞々しい静謐さは保ちつつも、響きの複雑さや多様な曲展開により重厚な物語性を構築しています。

ポストロックとクラシカルの境界線で花開いた素敵な作品です。

(4th)Alone,Not Alone

過去作の生命力に満ちた作風から、そっと囁くようなひそやかな雰囲気に変わったが本作の特徴です。
クラシカルな楽器を用いながらも、エレクトロニカ的な質感に接近しているとも言えるかもしれません。


ピアノの瑞々しい存在感が後ろに下がり、木琴、鉄琴、ツィター、電子音などが過去作では目立つことのなかった楽器が軽やかな旋律を奏でています。
もちろんストリングスやギターは変わらず登場して瑞々しくも優美なポスト・クラシカルサウンドを形成していますが、全体的にはミニマルな雰囲気が強まっています。

控えめな音数によって空間性を感じさせる奥行きのあるサウンドを構築しています。

感情の奔流ではなく、その多彩な変化を繊細に表現しているかのようです。
ミニマルな電子音を主役に添えている曲などもあり、過去作よりも表現の幅が大きく広がっています。

本作は<孤独と一体感の中で物思いにふけること>をテーマにしているそうです。
様々な思索や思考の流れを曲を通して表現しようとしているのかもしれません。

結びに代えて Tiny Leavesのアルバムが放つ魅力とは?

Tiny Leavesの根底にあるもの

Tiny Leavesは Joel によるバンド活動と並行したソロ活動として始められたものです。

Tiny Leavesはクラシカルな楽器を使っているけれども、本質的なところではインディーロックな人なのでしょう。
優美ながらも躍動感に満ちた旋律と時折見せる意外性のある展開は繊細なインディーロックのそれと非常に似ています。

ただし、Tiny Leavesの音楽はもっと優しい景色を差し出します。
耳を澄まして聴きたくなる繊細な音色に、何を感じるかは人それぞれです。

ただ、一人きりで珈琲や紅茶を飲みながらじっくり楽しみたくなる音楽だと思います。


それでは。

主要参考サイト

https://www.tunecore.co.jp/artist/TinyLeaves https://tinyleaves.bandcamp.com/ https://15questions.net/interview/fifteen-questions-tiny-leaves/page-1/

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