The Pirate Ship Quintetのアルバムについて。苦みばしった哀愁が奏でる、大人びたメランコリー

こんにちは。

The Pirate Ship Quintetは5人のコアメンバーを中心としたUK出身のインストゥルメンタル・ロックバンドです。

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カテゴリーとしてはポストロックが適切でしょう。
渋みを帯びた叙情性を響かせ、大人びた苦みと深みを漂わせるポストロックサウンドを奏でています。


2021年7月現在、The Pirate Ship Quintetは2作のフルアルバムをリリースしています。
本記事では、その全てを見ていきます。

The Pirate Ship Quintetのアルバム一覧

これからリリース順にアルバムを見ていきますが、文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作成してみました。

では、本題に入りましょう。

(1st)Rope for No-Hopers

何とも不穏なタイトルですが、そこまで重苦しくはないかなという印象です。

物憂く、粗く、哀愁を帯びた土っぽい叙情性がアルバムを通して続いていきます。

ぶっきらぼうなエレクトリックギターとエモーショナルなチェロのぶつかり合いが本作の魅力でしょう。
そこに緊張感を帯びたベースどドラムスが絡み、時に激しく、時に忍び足のように音楽が鳴り響いていきます。

場末の酒場のような哀愁を湛えていますがポストロックらしくダークな爆発もあり、一言では表しきれない複雑な色味を感じさせます。ボーカルが時折挟まれてることもありますがポスト・ハードコアやスクリーモとは違う、傷を負った狼のような失意と苦悩が漂っています。

その一方で、楽曲のフォーマットは典型的な長尺のポストロックに落とし込んであり、Godspeed You! Black Emperorのような先駆者と比べてポップで聴きやすいという一面もあります。

ただ、典型的ポストロックにはない個性として、重ね重ね言うようですが、本作には大人っぽい哀愁と苦みがあります。そして、それだけでなく陰鬱な雰囲気もまた、深く立ち込めています。


場末の酒場で独り失意に沈むような、そんな感覚にさせてくれるアルバムです。

(2nd)Emitter

前作に比べて負の感情の表出・爆発が控えめになり、やや落ち着いている印象を受けます。

一般的に、この「落ち着き」によってバンドの魅力が薄まることもしばしばありますが(個人的な印象です)、本作に関して言えばこの「落ち着き」が非常に功を奏しています。

感情の奔流がなだらかになり、エモーショナルながらもThe Pirate Ship Quintetらしい大人びた苦みや哀愁が効果的に響くようになっています。

エレクトリックギターの物憂く土の匂いを含んだ響き、
チェロの優美で感傷的な旋律、
ゆったりと躍動するようにリズムを紡ぐベースとドラムス、
しっとりとしている局面も増えて、大人っぽくて「傷を負ったような」優しさ/微笑を感じさせる瞬間が増えています。

ただ、もちろん陰鬱なメランコリーを湛えている場面や強烈に感情が爆発する場面も存在し、非常にポストロックらしい一面も感じられます。

前作同様、Godspeed You! Black Emperorのような長尺ポストロックの型に落とし込むことによって、キャッチーさを演出しています。

決して「歴史的名盤」といった評され方はしないでしょうが、個人的にはたまらない魅力を秘めているアルバムだと思っています。

主要参考サイト:The Pirate Ship Quintetのアルバムについて

https://thepirateshipquintet.bandcamp.com/

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