静謐にしてエモーショナル。繊細にしていぶし銀。内省系USインディーの到達点? The Jim Yoshii Pile-Upについて。


こんにちは。

The Jim Yoshii Pile-Upは1997年にカリフォルニア州のオークランドで結成された5人組ロックバンドです。

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USインディー的な繊細なエモーショナルさとスロウコア/サッドコア的な物憂さを特徴としており、エモ的で激情を用いて文学的な静けさを紡いでいるような美しさがあります。

彼等は2006年に活動休止するまでの間に3枚のフルアルバムをリリースしています。
本記事ではその全てを語ります。

The Jim Yoshii Pile-Upの全アルバムについて

これから全てのアルバムを語ります。
しかし、文字だけでは分かりにくいと思い、相関図を作成してみました。

では、アルバムごとに見ていきましょう。

(1st)It’s Winter Here

タイトルがすべてを物語っているようなアルバムです。
肌寒く、だからこそ澄んでいるような。


物憂くひっそりとした曲がアルバム全体の基調としており、そのうえで揺れ動く壊れそうな繊細なメロディが印象的です。
一方、センチメンタルで陰鬱なギターサウンドが時折エモーショナルに爆発することもあり、それによって聴き手を引きこむ緩急を生み出しています。

線が細い男性ボーカルの叙情的な歌声、
不器用ながらも繊細に絡み合うエレクトリックギター、
シンプルなビートを紡ぎ出すベースとドラムス。
テンポはしっとりとしていて雰囲気も静謐ですが、醸し出される蒼さは極めてエモ的です。

また、ボーカルのないポストロック的な曲もあり、叙情性も美しく描き出されています。

全体的に拙さが目立つところもありますが、それが遠い過去のような儚さをアルバム全体に投影しています。

静謐にして激情的、拙くも繊細。
The Jim Yoshii Pile-Upの魅力が最もシンプルに表れているアルバムです。

(2nd)Homemade Drugs

前作の物憂くも澄んだエモーショナルさを、さらに洗練させたアルバムです。

スロウで繊細な感覚はより鋭敏になり、抑制された曲調の中で描き出される怜冽な叙情性の解像度も大きく上がっています。

儚くも優しげな男性ボーカル、
透明感と繊細さを兼ね備えたエレクトリックギターやピアノ、
ソフトな質感ながらも、時に力強く叙情的なエモーショナルさを演出するベースとドラムス。

ゆったりと歩むような物憂さと蒼い感情が燃えるような瑞々しさが矛盾なく両立し、なおかつ地底湖のような透明感の高さを兼ね備えています。
緩急の切り替えも前作のような展開の激しいものではなく、自然な変化で徐々に盛り上がるようになっています。

前作のような過剰な冷たさもなく、自然体の繊細さを感じ取ることができます。
個人的には彼等の作品で最も好きなアルバムです。

(3rd)Pick Us Apart

現在のところThe Jim Yoshii Pile-Upのラストアルバムとなっている本作は、最もうたごころが感じられる作品になっています。

漂っている空気感が暖かく、控えめではありますがポップな匂いも漂っています。
さらには聴き手の心を揺さぶるメロディも登場するのだから驚きです。

曲調も以前のようにスロウで繊細はありますが抑制された感覚はなく、物憂くも解放感を漂わせる雰囲気が印象的です。


繊細ではあるものの力強さを増した男性ボーカル、
澄みながらも躍動感があるエレクトリックギター、
ロック的な力強さを手に入れたベースとドラムス。
文学的な繊細さはそのままに、穏やかな穏やかさを纏うようになっています。

危なっかしく拙い疾走感を覚えるような曲もあり、本作はポジティブな空気感が軸になっているとも言えるかもしれません。
また、静謐な曲についてもスロウコア的なダウナー感はなく、朴訥な優しさが味わい深い魅力を放っています。

金字塔と呼ぶほどの圧倒的な才を感じさせるわけではありませんが、だからこそ等身大の人間が叩きつけた渾身の一作のような魅力が感じられる作品です。

The Jim Yoshii Pile-Upの魅力 主要参考サイト

https://en.wikipedia.org/wiki/The_Jim_Yoshii_Pile-Up

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