可憐なインディーポップと少女の絶望 The Gentle Waves/Swansong For You

こんにちは。

Belle And Sebastianといえば、インディーポップの代名詞です。
内省的で大胆不敵、繊細にして大胆な音色。
それに文学的な歌詞は、唯一無二の存在感を放ち続けています。


そんなBelle And Sebastianに2002年まで在籍していた才女Isobel Cambell。
そんな彼女のソロプロジェクトがThe Gentle Wavesです。

Swansong for Youの魅力 文学少女的童話としてのGentle Waves

サウンド:あまりにもセンシティブなベルセバ

ベルセバのメンバーがレコーディングに参加していることもあり、音楽的にはベルセバに似ています。

ただ、The Gentle Wavesはベルセバと比べて非常にエッジが効いています。
極めて文学少女的なんです。
まるで文学少女的感性以外の全てを、ベルセバから徹底的に削ぎ落したかのように。


特に2ndにあたる本作Swansong For Youはとりわけ個性が強烈です。
フォーキーで、シンプルで、メルヘンで、毒があって。
そして、その根底にあるのは、深く暗い絶望。

歌詞から見るアルバムの世界

また、アルバムの構成も印象的です。
冒頭のLet the Good Times Beginで、

私達が過ごしているのは孤独な時間で
人生は夢で出来てる。

さあ、夢のなかで迷子になりましょう。
全て見ることができるなら、全て信じられるものだから。
さあ、音楽をかけましょう。
明日のことなんて考えないでいいの。

Let the Good Times Beginより拙訳

※和訳、違ってたらこっそり教えてください…。

と、現実逃避的な歌で幕を開けます。

ところが、その後に続く歌のテーマが壮絶です。
現実逃避感がまるでないんです。

泣き出すほどの孤独について。
自分の身体を求める男を通し、淡々と歌われる恋愛の虚しさについて。
現実のむごさを夢見がちな少女に説いてみたり。
素敵な彼氏で出来て、嬉しさのあまり周りを見下していたら、彼が去ってしまったことを歌ってみたと思ったら、
「日々は墓場へのステップ」という人生への絶望を嘆いたり。
などなど聴き手に逃避を許さぬような物語が続きます。

そして、最後を飾る曲で、人形遊びを楽しんでいた子供時代を振り返りながら「魔法にかけられていただけだった」と未来への失望を語ります。

儚げなインディーポップサウンドのうえに、今にも崩れ落ちそうな言葉が並びまんでいます。
人知れず猛毒を秘める小さな花のような、なぜか人を惹きつけてやまない危うい魅力を本作は漂わせているのです。

まとめ 穏やかで壮絶な戦い

本作はフォーキーで穏やかなアルバムです。

猛々しいファズギターが炸裂するわけではありません。
心躍るエイトビートがあるわけでもありません。
感情のすべてを込めた凄絶なシャウトだってありません。

ただ、そんな不朽のロックアルバムと同じように、本作は世界と闘いを綴った記録です。


少女の闘いは、
静かに、ひそやかに。

まとめ Swansong For You 貴方のためのスワンソング

アルバムタイトルにもなっているSwansong。
白鳥は生涯鳴かないけど死の直前に一度だけ美しく歌う、
という伝承がヨーロッパにあるのだそうです。

Swansong For You.
貴方のためのスワンソング。


いったい、どんな想いが込められているのでしょうか。



それでは、また。

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