圧倒的な才気が迸る、当代一流のヒットチャート・ノベル   世界から猫が消えたなら / 川村元気


こんにちは。

川村元気さんは『君の名は。』『電車男』『モテキ』などをメガ・ヒットに導いた日本の映画プロデューサーです。

作家・絵本作家としても活動しており、『世界から猫が消えたなら』は彼の作家デビュー作になります。
しかも、映画化もしています。すごい人ですね…。

そんな本作について、少し語ります。

『世界から猫が消えたなら』のあらすじと魅力(感想)

あらすじ

「僕」は30歳、猫と一緒に暮らしながら郵便配達員としています。
しかし、風邪が治らないので病院に行ったところ脳腫瘍であることが発覚します。
さらに幾ばくも無い余命を突き付けられ呆然自失になってしまいます。

すると、自分にそっくりの自称悪魔が登場します。
悪魔は「この世界から何かを一つ消す代わりに、一日寿命を伸ばしてあげよう」と取引を持ち掛けます。
当然、一日でも多くいきたいのが人情というもの。
「僕」は悪魔と取引をしながらいろいろなものを消していきます。

変わりゆく身の回りに戸惑いながら「僕」は、家族のことを思い出したり、元恋人や親友と会いながら自分が生きた三十年間と向き合っていくことになります。

魅力(感想) 小説家:川村元気のパーソナリティ

本作の魅力は、物語としての完成度の高さでしょう。
プロデューサーとして名だたるヒット作を連発させながら、自身の小説も映画化させるような圧倒的な才気が随所から感じられます。

意外性のある導入。
クスっと笑いたくなるユーモア。
分かりやすく表現された、奥深い人間関係。
読みやすい文章表現。
そして、シンプルかつ切迫した終盤のクライマックス。

全てが無駄なく心地よく、なおかつ程よく緊張感があり、
変に文学的な自己主張があるわけでもなく、等身大の共感を得られるような普遍性があり。
それら全てに嫌味なく気配りが出来ていて、調和の取れた物語になっています。


どうすれば自分の情熱をどうすればより多くの人に届けられるのか。
天才中の天才が右脳的想像力と左脳的論理思考力をフル動員して考え、計算しつくし磨き抜いた、J-POP的小説の金字塔だと思います。

むすび 作品全体の感想として

川村元気さん、まさしく逸材だと思いました。
たくさんのヒット作をプロデュースしつつ自作でも高いクオリティを発揮しているのですから。

レオナルド・ダ・ヴィンチもかくやと言わんばかりの多方面での天才っぷりにはただただ驚天動地の境地です。
しかも、彼の場合は、天才の作品にありがちな自我の強さによるノイズがないんです。
そこに著者の強烈な凄みを感じました。

ただ、作中人物が映画を語るところだけは映画大好きな著者の無邪気さが感じられました。
そこも楽しかったですね、凄く。
映画好きな方は、共感や好感を覚えるかもしれません。

それでは、また。

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