社会福祉士の資格を取る道すがら:その3

生活保護について

太平洋戦争前

明治時代においては、扶助は血縁・地縁によるべきものとされていた。

しかし、そういった網の目からは零れ落ちる「無告ノ窮民」だけは救済してもよいと考えられた。

なお、支給は米代に対しての金銭給付。

大正時代に入ると、軍事救護法に基づき、傷病兵やその遺族を援護するための救護課が設置される。

また、大阪府知事のもとでは民生委員の原型となる方面委員制度が創設された。

昭和4年には救護法が設立。
しかし、労働能力のある困窮者は対象者とはみなされなかった。


保護の種類は生活扶助・医療・助産・生業扶助の4種類。
また、実施期間は市町村長とされた。


保護の請求権が認められていない。
これ、凄いですね。自分で訴えて保護を受けることができないのですから。

太平洋戦争後

・生活困窮者緊急生活援護要綱

生活援護の対象者を一般国内生活困窮者および生活に困窮する失業者、戦災者、海外引揚者、在外者留守家族、傷病軍人及びその家族ならびに軍人の遺族を対象とした。

・社会救済(775)

占領軍が示した覚書。「国家責任による無差別平等の保護」「必要な救済費用に制限を設けない」という原則をしめした。

戦前の日本の政策に明確なノーを突き付けている。

そして、そんな占領軍の意向も踏まえて旧生活保護法が成立した。

旧生活保護法

平等な保護によって社会の福祉を増進(能力があるのに労働する意思がない者は保護の対象外)

「生活扶助」「医療」「助産」「生業扶助」「葬祭扶助」の5種類に変化。

実施期間は市町村。
ただし、民生委員を補助機関とした。


社会保障制度審議会において生活保護制度を「社会保障制度」の一環として確立すべきと勧告がなされる。

(新)生活保護法

社会福祉主事を補助機関、民生委員は協力機関。
役所の責任が増して、民生委員の責任が後退

国の負担率:8割(最終的に3/4に)
保護請求権と不服申立制度を法定化。また、教育扶助と住宅扶助が追加され、保護の種類が7つに。(その後、平成に介護扶助が入り8つに)

なお、医療扶助は指定医療官制度を導入している。(その後、更新制に)

平成29年度の被保護者数は212万人(1.68%)164万世帯。

市部:9割以上
単身世帯:約8割
高齢者世帯:約5割

生活保護の概要

・原理原則

基本原理

1.国家責任の原理⇒自立を助長
2.無差別平等の原理⇒原因や身分などは問われない。生活保護法の定める要件を満たす限り、保護を受けられる。
3.最低生活の原理健康で文化的な生活水準
4.保護の補足性の原理⇒(1)もともと持ってる資産、能力や生活を最低限度の維持するために使われる。(2)民法の扶養義務が優先される。

保護の原則

1.申請保護の原則⇒要保護者、扶養義務者、同居の親族の申請が必要
2.基準および程度の原則⇒厚生労働大臣の定める基準・最低限度の生活を満たすに十分な保護
3.必要即応の原則⇒保護は有効かつ適切に
4.世帯単位の原則⇒世帯単位が原則。これによりがたい場合は個人も可。

主な権利・義務

保護金品を租税として租税その他の公課を課せられない。
保護を受ける権利を譲り渡してはならない。
居住地の変更や収入の変更があった場合は保護の実施機関に届け出る。

生活扶助の範囲

1、衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なもの
2、移送

生活扶助の方法
金銭給付、一か月以内を限度として前渡し
原則世帯主に交付
施設介護の場合は施設の長
食費は個人単位で算出(年齢別)
光熱費などは世帯単位の経費
地域によっては冬季加算あり

父母がどちらか欠いていると(父子・母子)加算あり。
介護保険の第一号被保険者にも加算在り。

入学準備などの一時補助もあり。

出産扶助

分娩の介助、分娩前及び後の処置、ガーゼ等の衛生材料
金銭給付

教育扶助

義務教育に必要な教科書
給食費、学習支援費(クラブに必要な額)
金銭給付

生業扶助

生業費
技能習得費(高等学校等への就学費用)
就職支度費(洋服代)
金銭給付
現物をする場合は、授産施設等に委託

住宅扶助

住居、補償等維持費
金銭給付
現物の場合は宿所提供施設に

医療扶助

診察、薬剤、処置・手術、移送等

現物給付。原則都道府県が指定した医療機関で。

介護扶助

居宅介護(居宅介護支援計画(ケアプラン)に基づき行うものに限る)、福祉用具、住宅改修、施設介護、移送。

現物給付。指定介護期間に委託。

葬祭扶助

検案、死体の運搬、火葬・埋葬、納骨。
金銭給付。葬祭を行う者に給付。

収入認定額

申請者の収入として認定される金額が収入認定額を(勤労収入)-(実費控除)-(勤労控除)下回らないと需給されない。

自立支援プログラム

福祉事務所が、自立阻害要因について、それぞれの累計ごとに取り組むべき自立支援の内容・手順を定め組織的に実施する。

経済的自立(就労)だけでなく社会的自立(地域社会の一員へ)・日常生活自立(心身の健康・自立した生活)も含む。

就労自立給付金

安定した職業についたことにより保護を必要としなくなったものに給付

受給中に収入認定額の範囲内で仮想的に積み立て

進学準備給付金

大学等に進学したものに給付

保護施設

第一種社会福祉事業

救護施設 身体上または精神上の理由により日常生活を営むのが困難な要保護者が入所(生活扶助を行う)

厚生施設 養護及び生活指導を必要とする要保護者が入居

授産施設 就業能力の限られている要保護者の自立を支援

宿所提供施設 住所のない世帯に対して

第二種社会福祉事業

医療保護施設 医療を必要とする要保護者に対して

また、社会福祉法に基づいた無料低額宿泊所等もあり。

生活困窮者自立支援法

書いて字の通り。生活困窮者の自立を支援する。(生保になる前の状態で)
主体 福祉事務所

必須事業
・各種相談員の配置
・相談事業、必要な情報の提供、訓練事業の利用あっせん、自立支援計画の作成
・離職等により住宅を失った生活困窮者に対する住居確保給付金

努力義務
就労に必要な知識及び能力の向上のための訓練を行う事業
家計の改善の意欲を深め、生活に必要な資金を貸し付ける事業

任意
住宅のない生活困窮者に対する宿泊所や医療の提供
子どもの学習支援
子どもと保護者に対する生活習慣及び育成環境の改善

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