Sonicbrat / Stranger To My Room 夏の風が吹く。さやかにそよぐ、ピアノと鈴の音。


こんにちは。

Sonicbratはシンガポール出身のDarren Ngによるソロ・プロジェクトです。

敢えてカテゴライズするなら……、ポスト・クラシカルになるんでしょうか。
節々から感じられるクラシカルな素養やエレクトロニカ的な音響フェチズムなど、表層的な特徴はまさしくポスト・クラシカルです。

しかし、Sonicbratの音楽にはいわゆるポスト・クラシカル的なアーティストとは異なるアジア的でのびやかな感性があります。

本作Stranger To My Roomは母国シンガポールの名門Kitchen.Kabelよりリリースされたデビュー作になります。

Stranger To My Roomの魅力 Sonicbratが描くアジア流ポスト・クラシカル

Stranger To My Roomの音的な特徴

楽器構成から見た魅力

本作の魅力はアジアの夏をそっとふきぬける涼風のような、優しくノスタルジックな音色です。

中心になるのは、おおらかな旋律を奏でるピアノです。
そして、仲の良い家族のように様々な楽器が代わる代わる近寄ってきます。
涼しげな鈴の音、
無邪気なピアニカ、
くだけた雰囲気の弦楽器、
透明感漂うサイロフォン、
穏やかなアコースティックギター、
古い家屋を思わせる様々な生活音、
立ち代わり入れ代わり、時には一緒に伸びやかな楽曲を創り上げていきます。

そんな楽器によって紡がれる音楽は決して壮大ではなく、顔を寄せ合い笑い合うような親密さに満ちています。

音のイメージ面から見た魅力

時にメロディアスに、時にアンビエントに、
思い出に潜む安らぎの瞬間を見事に捉えて、音へと昇華しています。


木陰から見上げる夏の日差し
透き通るような川面、
夜気に紛れる蒸れた土の匂い、
そんな密度の高いリアリティを伴って感じ取られます。

風通しがよくて、とっても素朴で、ふと若葉の匂いが漂って。
アジアの夏、伝統的な家屋に差し込んだ涼風のような心地よさがあります。

ポスト・クラシカル?

冒頭でもお話ししましたが、本作は

  • クラシカルな要素があり
  • エレクトロニカ的な繊細さへのフェチズムがある

という2点の特徴があり、日本におけるポスト・クラシカルというカテゴリーに当てはまる音楽です。
しかし、その音楽はいわゆるポスト・クラシカルとは明確に異なります。

それは彼の音楽が宮廷的ではないからです。

たしかに叙情的ではあります。
しかし、ヨーロッパ宮廷的な格式高いものではありません。

もっと、日常的な感覚を音にしているように思います。
アジアの田園風景を連想させるような涼やかで、気取らず、等身大の愛情に満ちています。


特にここまでノスタルジックな夏を描き出しているのはSonicbratくらいでしょう。

まとめ

本作はこれからの季節にぴったりだと思います。
夏の暑さを和らげつつも、リラックスした気持ちにしてくれるアルバムですから。

それでは。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です