Slow Meadowのアルバムについて。クラシカルな楽器が紡ぎ出す、パーソナルな情感の移ろい。

こんにちは。

Slow Meadowはテキサス出身のMatt Kiddによるソロ・プロジェクトです。

https://p1.music.126.net/czdOI2DDU2NujZjV1cJGww==/19116109160573153.jpg

ジャンルとしてはポスト・クラシカルになるでしょう。
ピアノヤストリングスを主体とした、荘厳ながらも静謐なアンビエント・サウンドを響かせています。

Slow Meadowは2020年7月現在、3枚のフルアルバムをリリースしています。
本記事ではその全てを語ります。

Slow Meadowの全アルバムについて

アルバムごとに見ていきますが、文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作ってみました。

では、アルバム順に見ていきましょう。

(1st)Slow Meadow

前史:リリースされるまで

Slow MeadowことMatt Kiddは2012年からAural Methodというポストロック的なソロプロジェクトで活動をしていました。
2作品のアルバムをリリースしたのちにHammockのMarc Byrdと出会い、2人は親交を深めていきます。

そして、Marc Byrdの勧めによってアンビエント的なソロ・プロジェクトを始動させ、Slow Meadowと名付けました。

その後、Hammockの運営するHammock Music1よりリリースされたのがセルフタイトルとなるSlow Meadowです。

アルバムの魅力

クラシカルな楽器の魅力である荘厳な音色を瑞々しく響かせ、ノスタルジックなアンビエントサウンドを奏でています。

大きく上下するような展開はなく、情緒的でなだらかな旋律が波のように引いては押し寄せているのが特徴です。

きめ細やかな手触りを感じさせるようなエレクトロニカ的な音響への繊細なこだわりも特徴でしょう。
メランコリックなシンセのドローンサウンド、
ピアノの豊潤で優しい旋律、
ストリングスの壮麗でゆったりとした響き。

絹地のようにつややかな響きが、ひそやかな優美さを湛えています。

優しく、たおやかに、柔らかに。
風景画をそっと描き上げるように楽曲は進んでいきます。

時に雨音のように。時に静けさに包まれた星空のように。
はっとするほど澄んだ空気感と美しい孤独を紡いでいる作品です。

(2nd)Costero

前史:リリースされるまで

前作のリリース後、多くのシングル作品をSlow Meadowはリリースしていきます。

あまり語られていないので分かりませんが、33歳という遅めのデビューにより堰を切ったように創作意欲があふれ出ていたのかもしれません。


そして、前作から2年を経て2nd アルバムCosteroがリリースされます。

アルバムの魅力

前作同様アンビエントで静謐な響きを魅力としつつも、叙情性を深く湛えた旋律が印象的な作品となっています。

簡単に言えば、壮麗でメロディアスになっています。

メランコリックなストリングスの旋律、
儚くも優美さを漂わせるピアノの響き、
シンセ/エレクトロニクスの揺蕩う澄んだ音色。
情感を載せた音色たちがひそやかに重なり合い、パーソナルな感覚を残しつつも荘厳な音響世界を生み出しています

そっと紡がれる旋律の求心力は高く、穏やかながらも叙情的な曲展開によって聴き手を引き込みます。

Sigur Rosのような妖精的な神秘を感じさせる瞬間も少なからずあり、個人的には心を動かす出会いの物語の匂いも漂っているように感じます。
森の奥での、霧深い湖畔での、あまりにも美しい邂逅のような。
無垢な蠱惑さのような。

(3rd)Happy Occident

前史:リリースされるまで

2ndアルバムの後も4つのシングルをアルバムに先駆けたリード作品としてリリースしています。

そして、現代社会から派生する不安、熱狂、変わり続ける不確かな時代などをインスピレーションとして、人生に瞑想的な時間のサウンドトラックとして制作されたのが3rdアルバムにあたるHappy Occidentです。

アルバムの魅力

楽曲におけるエレクトロニクスの存在感が強まったことにより、表現の幅が広まっているのが特徴です。

また、前作が壮麗なメロディにシフトしていたのに対し、本作はエレクトロニカ/インディーロック的な感性が強く楽曲に影響しています。

ビートの存在感もやや強まり、加工されたボーカルなどもわずかではありますが登場しているのも見逃せません。
それにも関わらず、作品全体が温かくて懐かしい質感で覆われており、聴き手の心にじんわりと染み渡る心地よさがあります。

ストリングスの華奢ながらも芯の通った響き、
ピアノが紡ぐ繊細な叙情性、
シンセ/エレクトロニクスの淡く澄んだ音色を折り重ねて生み出す朧気で叙情的な風景。
作品の雰囲気は一環としてパーソナルでありながらも、オーガニックな手触りを感じることができます。

ある意味では、非常に素朴な優しさを湛えた作品なのかもしれません。

温もりに満ちて、慈しみにも満ちて、その両手に包まれながら眠りたくなるような。
そんな、安心するような。

結びに代えて Slow Meadowの穏やかな響き

荘厳な音色、素朴な魂

Slow Meadowはいわゆるポスト・クラシカルとカテゴライズされる音楽家のなかでも、とりわけパーソナルで素朴な響きを特徴としています。

他の音楽家と比してずば抜けた荘厳さや叙情性があるわけではありません。
ただし、温もりと痛みを深く湛えたハンドメイドのような美しさが、聴く者の心にゆっくり染みこんでいきます。

虚飾のない人間らしさを感じさせてくれる作品を、Slow Meadowは生み出しています。


それでは。

主要参考サイト

https://www.slowmeadow.com/home https://headphonecommute.com/2015/09/24/slow-meadow-slow-meadow-hammock-music/ https://slowmeadow.bandcamp.com/

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