Slow Core/Sad Core(スロウコア/サッドコア)の歴史を振り返る。  LowやRed House Painters以外にも数多存在するおすすめしたいバンドについて。



こんにちは。

Slow Core/Sad Core(スロウコア/サッドコア)という音楽カテゴリーを御存じでしょうか。
物憂げでスロウな曲調を特徴とするインディー・ミュージックです。

Red House Painters活動初期のフライヤー。Mark Kozelek若いですね。

LowやRed House Paintersあたりが代表格になるのでしょうか、
80年代後半から90年代にかけてUSインディー界隈で名を馳せたジャンルと言えるでしょう。

そんなSlow Core/Sad Core(スロウコア/サッドコア) というジャンルの歴史と主要なバンドの音についてまとめてみました。

Slow Core/Sad Core(スロウコア/サッドコア)の歴史・特徴 陰鬱な名盤を取り巻く時代性

Slow Core/Sad Core(スロウコア/サッドコア)はどんな音楽か?

Slow Core/Sad Core(スロウコア/サッドコア)の主な特徴は下記のとおりです。

  • 物憂げで、
  • スロウテンポで、
  • アレンジがシンプルで、
  • 曲が長いことが多くて、
  • 男女混成ボーカルが時々みられる、

といったあたりでしょうか。

具体例として、代表曲を聴いてみましょう。

Red House PaintersのHave You Forgottenです。
日本でイメージされるSlow Core/Sad Coreの代表曲でしょう。
物憂げで、抑制が効いていて、非常に美しいです。


元来USインディーミュージックとはハードコア的なものでした。
こういう静謐な音楽が現れたことは、当時としても驚きだったはずです。

Slow Core/Sad Coreは何故現れたのか?

では、そんな特徴を持つ音楽が何故現れたのか。

それは当時隆盛を極めていたグランジへの反発です。

本来アンダーグランドミュージックの象徴だったノイズや激しさといったスタイルをメジャーが用いるようになったため、アンダーグラウンドはその対比と成りうる静謐な音楽を創りだしました。

Slow Core/Sad Coreの特殊性

Slow Core/Sad Coreには、他の音楽ムーブメントと比較したときに下記のような特徴があります。

  1. グランジにおけるシアトルのような中心地もなかった。
  2. シューゲイザーにおけるCreationのような拠点レーベルもなかった。
  3. パンクにおけるSex Pistolsが1976年にマンチェスターで行ったライブのような象徴的/革命的な出来事もなかった。

つまり、Slow Core/Sad Coreには音楽ムーブメントとしての集結/起爆地点が存在しないのです。

広大なアメリカの地に散らばる彼等が日常的に共有できたものといえば、時代を覆っていた空気感くらいだったはずです。

例として、グランジとSlow Core/Sad Coreのバンド達が拠点としていた地域を見比べてみましょう。

グランジはだいたシアトルをベースにしていたけど……
Slow Core/Sad Coreは各地に散らばっています。

明白に違いますね。

結果として彼等の共通性は非常に漠然としたものになり、その漠然とした共通性がSlow Core/Sad Coreの特徴にもなります。
時代を覆う空気感、なんて緩い繋がりしかないインディーズ・ムーブメント。
それがSlow Core/Sad Coreなのです。

誰がSlow Core/Sad Coreなのか?

そのバンドがSlow Core/Sad Coreであるかどうかは、そのバンドがSlow Core/Sad Coreっぽいかによって判断されます。

例えば、先ほど挙げたものと同じような特徴を持つTalk Talkはしばしばポストロック・バンドとみなされます。
何故なら、Slow Core/Sad Coreっぽい空気感を持っていないからです。


さきほどのRed House Paintersと聞き比べてみましょう。

うーん……。この2つを隔てる空気感の違い、難しいですね。

どこまでSlow Core/Sad Coreになるかは個人の感覚によってかなり違うようです。

この記事におけるSlow Core/Sad Core(スロウコア/サッドコア)とおすすめしたいバンドの紹介の仕方

この記事の目的

この記事の目的は、

  • Slow Core/Sad Coreの歴史を簡潔に振り返りつつ
  • Slow Core/Sad Coreに関心のある方が「どこから手を出そうかな」「もっと手広く聴いてみたいな」と考えたときの一助となる

ことです。

この記事における各バンドの紹介の仕方

今回はSlow Core/Sad Core的空気感が濃いと思われるバンドを個人的にピップアップしてみました。


さらに、Slow Core/Sad Coreの特徴を成す項目、

  • 陰鬱な叙情性
  • 曲のスロウさ
  • アレンジのシンプルさ
  • アングラ・コア的緊迫感
  • インディー的ポップネス

について、各バンドごとにAからEまでのアルファベットを振っています。

これはSlow Core/Sad Core的特徴との近似性を表すものです。
「どういった点がSlow Coreっぽくて、どういった点がそうじゃないか」を示したつもりです。

各バンドの評価・価値を図るものではありません。

各バンドのカテゴリーについて

では、お手数ですがこちらの図をご覧ください。

各バンドを時代と音楽的特徴に基づいてカテゴライズしています。
そして、この記事では上記カテゴリーごとにまとめて語っていきます。


カテゴリー円の枠色と記事のフォント色は同じにしてあります。
見比べる際などは、参考にしてみてください。

では、見ていきましょう。

Slow Core/Sad Core(スロウコア/サッドコア)誕生期(1980年代後半から1990年代前半) Red House PaintersやLowが芽吹いた土壌

この時期の特徴は、

  • 「Slow Core/Sad Coreってこういう音だよね?」というイメージがまだ固まっていない。各バンドとも自由闊達として、枠に収まりきらない野性味がある
  • 代表格となったバンドが持つ王者の風格的なキャッチーさと、そうならなかったバンドのひねくれたエモーショナルさが対比的。

といったところでしょうか。

Slow Core/Sad Coreの代表格 先駆者にしてジャンルのイメージとなったサウンド

このカテゴリーでは、Slow Core / Sad Coreサウンドの先駆者・立役者であり、今なお代表格となっているバンドを紹介します。

彼等が奏でた音楽こそが一般的にイメージされるSlow Core / Sad Coreへとなりました。
その影響力は非常に大きいと言えます。
また風格漂うキャッチーさを放っているのは、このカテゴリーのバンドだけでしょう。


では、見ていきましょう。



Red House Painters

Slow Core/ Sad Coreというムーブメントの象徴的存在と言えるでしょう。

  • 陰鬱な叙情性        A+
  • 曲のスロウさ        B+
  • アレンジのシンプルさ    B+
  • アングラ・コア的緊迫感   B
  • インディー的ポップネス   B

つま弾かれるアコースティックギターからしたたり落ちる感傷、
曲の長大さから香り立つ湿り気を帯びた陰鬱さ、
緩慢なテンポが生み出す、リズムセクションの豊かな響き。

Slow Core / Sad Coreとはかくあるべきという魅力を見せつけています。
しかもごく自然体で、なおかつ圧倒的な貫録で。


それに加えて賞賛すべきは、Mark Kozelekの歌声とメロディです。
野太くも繊細、野性味がありつつも高貴、そんな男から漏れ出す魂がポップで幽玄な旋律を紡ぎます。
傷つき、くすみ、だからこそ薄暗い透明感がうねる歌声には、唯一無二の魅力があります。

他のバンドに比してビート感がやや強いこともあり、力強さを感じさせるのも特徴です。
ただ、4ADからリリースしていることからも分かりますが、その根底にあるのは耽美的な痛みです。


新月の夜、力強い骨組みに支えられたボロボロのフラッグが雄大な自然の中で棚引いている。
そんなイメージのサウンドが魅力的です。

アルバム情報等

彼等は6枚のアルバムを残しています。
基本的には前半3枚が陰鬱さが強く、後半3枚が叙情性が強いという理解で良いかと思います。
またRed House Painters解散後、Mark KozelekはSun Kil Moonやソロ名義、JesuやJimmy Lavalleとのコラボレーションなどで活躍をしています。

※Sun Kil Moonについてはこちらでも語っています。ご覧いただけると嬉しいです。

Low

Red House Paintersに並ぶ二大巨頭と言えます。
Slow Core/Sad Coreに付された男女混成ボーカルのイメージなどは、Lowによるところが大きいでしょう。

  • 陰鬱な叙情性        A
  • 曲のスロウさ        A-
  • アレンジのシンプルさ    B+
  • アングラ・コア的緊迫感   A-
  • インディー的ポップネス   B-

沈み込むようにスロウな曲調、
陰鬱に囁きながらハーモニーを織り成す男女ボーカル、
ざらついたバンドサウンドが奏でる深い郷愁、
そして曲が盛り上がる時の、歯を食いしばって立ち上がるかのような力強い旋律。
粗野でありながら沈鬱でもあり、あまりにも美しい。それがLowの特徴でしょう。

気だるいため息のようなエレクトリックギター、
そっと絡みつくドラムス。
その下で俯くように刻まれるベース。
揺蕩うように旋律を奏でるメロディ。
アレンジは非常にシンプルです。
余分なものを徹底的に削ぎ落したからこそたどり着ける、誇り高く峻厳で陰鬱さなサウンド・スケープがあります。


一歩も引かずに己の内面世界と向き合っているような、鬼気迫る静謐さに触れてみたい方は是非。

アルバム情報

2019年現在、12枚のアルバムをリリースしており、アルバムごとの作風も自由闊達に変化します。
Slow Core/Sad Core的なものを聴くのであれば、6th albumより以前のものが良いかと思います。




Codeine

他のバンドと違い、ヘヴィネスを武器としているのがCodeineの特徴です。

  • 陰鬱な叙情性        A
  • 曲のスロウさ        
  • アレンジのシンプルさ    B-
  • アングラ・コア的緊迫感   
  • インディー的ポップネス   C

抑制された重苦しいテンポ、
不穏な存在感を放つ歪ませたギター、
いかにもアンダーグランド然とした少し鼻にかかったようなボーカルの声質、
ずしりと重たいドラムスとベース、
等々、叙情的で繊細なヘヴィネスで聴き手に迫ります。

そんなヘヴィネスが彼等の面白いところで、『静』『動』二項対立方法などは、グランジにも通じる方法論があります。

また、曲中ではグランジ的なとぐろを巻いています。
とりわけ、盛り上がるパートなどはごりごりです。
狂気的とも言える諦観を感じます。
Red House PaintersやLowなどは陰鬱さの中にもどこか清涼な雰囲気があります。
しかし、Codeineの場合はひたすらに出口が見つからない重苦しさを感じます。


Codeineは激しいバンドです。
のしかかるような激しさがあります。
咆哮するような激しさもあります。
各楽器が一斉に猛るような激しさだってあります。
他のバンドとは明確に異なる個性を持つバンドと言えるでしょう。

アルバム情報

彼等は2枚のアルバムを残していますが。
強いていうなら、不穏さを楽しみたいなら1st、ややマイルドなのが2ndといったところでしょうか。



このカテゴリーにおける他の注目すべきバンド

Cat Power,Ida,Idaho

アンダーグラウンド・ミュージックとはかくあるべき。 エモくて『コア』なマイナーSlow Core / Sad Coreバンド

続いてのカテゴリーはSlow Core/Sad Core黎明期に活動していたけれど、代表格のバンド達ほど脚光を浴びなかったバンド達です。
特徴としては……、

  • サウンドとしては、あくまでも王道なSlow Core/Sad Core。
  • 全体的に『コア』なざらつき感が強い。
  • 代表格勢に比べるとキャッチーさには劣るけど、剥き出しのエモさがある。

というところです。
では、見ていきましょう。



Bedhead

長年の風雪に晒されたような味わいポップネスが魅力のバンドです。

  • 陰鬱な叙情性        B-
  • 曲のスロウさ        C
  • アレンジのシンプルさ    B
  • アングラ・コア的緊迫感   B-
  • インディー的ポップネス    A

スロウな曲が描き出す、牧歌的な雰囲気。
内なる感情をそっと吐露し、濃霧のように立ち込めるディストーションギター。
簡素にアレンジされた楽器の上で、ぼそぼそとぶっきらぼうに囁かれる歌。

他のバンドに比べると柔らかくゆったりとしている印象を受けます。
決してポジティブというわけではなく、蒼暗い影を身にまとっています。
しかし、純朴とも言えるような伸びやかさは鮮烈です。


時折パワーポップなどを思わせるメロディが飛び出てくることもよくあり、叙情的なダウナーさだけで楽曲を構成しているわけではありません。
青少年的な苦悩が比較的剥き出しのまま噴出しているのは彼等の特徴でしょう。

Slow Core/Sad Coreという分厚い鎧の下で打ち震えているのは、気弱なパワーポップの魂なのかもしれません。

アルバム情報

彼等は3枚のアルバムを残しており、リリースを重ねるに連れてLo-fiさは薄れていきます。
また、解散後には中心人物だったカデイン兄弟がThe New Yearを結成しています。




For the Carnation

元SlintのBrian McMahanによるソロ・プロジェクトです。

  • 陰鬱な叙情性        B+
  • 曲のスロウさ        
  • アレンジのシンプルさ    A+
  • アングラ・コア的緊迫感   A+
  • インディー的ポップネス   D+

極限まで無駄を削ぎ落したエレクトリックギターが奏でる、破裂しそうに張り詰めた静寂は衝撃的です。

軸になるのは気だるく陰鬱な雰囲気です。
しかし、バリエーションは多岐にわたります。
長尺でSlow Core/Sad Core的な憂鬱さを追求していく曲もあり。
USインディー的な不穏さを前面に押し出してくこともあり。
かと思えば、透明感のあるキーボードを導入することもあり。

ただ、For the Carnation最大の売りは、Brian McMahanのソリッドなエレクトリックギターでしょう。

Slint時代のようにバンドアンサンブルでキメまくったりすることはありません。
分厚い音壁となって聴き手を踏み潰すような破壊力もありません。
しかし、その切れ味は凛然として美しく、壮絶として禍々しく。
あたかも暗闇に浮かぶ一本の刀のような存在を放ちます。
ぼそぼそと呟きながらギターを弾くBrianは、闇夜で刀を構える浪士のようです。


とりわけ1stではすべての楽器が、Brianのギターとボーカルの切れ味鋭さを魅せるために配されています。
(2ndは全体バランスの整合性がやや配慮されています)
Slow Core/Sad Coreでもトップクラスに音数の少ないアレンジ、
音の間に漂う荒涼とした気だるさ、
暗闇での捕食動物を足取りを思わせる、一分たりとも存在しえぬ隙。
現実逃避や甘いロマンスなど存在する余地のない、真剣勝負が続きます。


ノスタルジーよりも密やかな凶暴さが強調されており、ああ彼等は『コア』なんだなと強く感じさせてくれるバンドです。

アルバム情報

彼等は2枚のアルバムを残しています。
1stの方がソリッドなギターを前面に押し出しています。
2ndはバンドアンサンブルにより気を配した構成になっています。




Bluetile Lounge

アンダーグラウンド感もあり、同時にいわゆるSlow Core/Sad Core感もあり、非常に良いバランスのマイナー・スロウコアバンドです。

  • 陰鬱な叙情性        A
  • 曲のスロウさ       B-
  • アレンジのシンプルさ   B-
  • アングラ・コア的緊迫感  C
  • インディー的ポップネス  B

気だるい雰囲気、長尺な曲調、美しいギターアルペジオ、寄り添うようなベースとドラムス。
Slow Core /Sad Coreサウンドの中でもとりわけセンチメンタルな要素を、見事に体現しています。
美しい夢幻さには息を呑みます。

耳を傾けていると、水晶のように澄んだ濃霧の中を漂っているような感覚になります。
夢幻的な陶酔感に心地よく抱かれ、殺伐とした刺々しさは皆無です。


では、完成された逃避サウンドかというとそういうわけではありません。
インディーズ的な現実への焦燥は奥底に隠されています。
そして、彼等は人知れずそれを絵の具に溶かし込み、幻想的な水彩画のようなサウンドスケープを創造しています。

彼等の音楽は非現実的な美しさを詠います。
それと同時に分子単位まで分解された現実の痛みが、世界を構成する元素となって存在しています。

その空想世界には崩壊してもおかしくない危うさがあり、それがたまらなく魅力的です。
シューゲイザーに通じる耽美と言えるでしょう。
また、トム・ヨークを彷彿させる繊細なボーカルは、他のSlow Core/Sad Coreにはない美麗さを加えるアクセントになっています。

万人受けするというわけではありませんが、ハマる人には見事にハマるとにかく美しいバンドでしょう。
ドリープポップ指向の逃避型Slow Core/Sad Coreです。

アルバム情報

彼等は2枚のアルバムを残しています。
1stの方がSlow Core/Sad Core的です。
2ndになると叙情的な感情表現が強めになり、シューゲイザーに接近していきます。



このカテゴリーにおける他の注目バンド

Smog,American Music Club,Seam,Spain

Slow Core/Sad Core(スロウコア/サッドコア)発展期(1990年代後半以降) 群雄割拠・名盤ぞろいのおすすめアーティスト

この時期はSlow Core/Sad Coreサウンドの発展・洗練、他ジャンルとの融合といった動きが見られます。
「Slow Core/Sad Coreってこういう音だよね」というイメージが成立したからこそ、そのイメージをいじれるようになったのかもしれません。

また、グランジという反抗すべき強敵がいなくなったことも注目点です。
カテゴリー全体がエネルギーを失い、Red House PaintersやLowのようなカリスマが出てこなくなりました。
ただし、アンダーグラウンドとしてもエモーショナルな熱量は高まっていきます。

それでは、今回はこの時期のバンドを下記3つのカテゴライズして語ります。

  • 静謐美を追求したバンド
  • 暗鬱なヘヴィネスを使いこなしたバンド
  • Slow Core/Sad Coreを発展・洗練させたバンド

さて。順々に見ていきます。

静謐美を追求したバンド

このカテゴリーは、エレクトロニカやポスト・クラシカルなど似た性向のジャンルへの接近が目立ちます。
一方で、Coastalのようにストイックにバンドサウンドを追求した動きも多く見られます。


L’altra

静謐美の極致としてSlow Core/Sad Coreを語るのであれば、L’altraを避けては通れないでしょう。

  • 陰鬱な叙情性       A
  • 曲のスロウさ       B
  • アレンジのシンプルさ   B-
  • アングラ・コア的緊迫感  C
  • インディー的ポップネス  A-

エレクトロニカへの接近が非常に上手くハマっています。
とは言っても、シンセ、グリッチなどのエレクトロニカ的なパーツはあまり登場しません。

しかし、一音一音に込められたきめ細やかなこだわり、
ソフトなサウンド・テクスチャーの組み上げ方等々、
楽曲から漂う繊細さからはエレクトロニカ的感性を受け取られずにはいられないでしょう。
(Telefon Tel AvivのJoshua Eustisと制作しているアルバムがあるのも納得です)

そして、そんな感性の泉から聴こえるのは、深い悲しみを湛えたせせらぎです

柔らかでスロウな曲調の上に、そっと積み上げられる沈痛なアコギやピアノ、エレクトリックギター、管楽器等々色取り取りの音色、時折姿を見せるエレクトロニカ的音響、男女混成のボーカルが紡ぐ細やかな旋律、それらを支えるベースとドラムス。
生楽器によるきめ細やかなサウンドレイヤーによって紡がれた楽曲は、ため息が出るほど流麗です。

決して過剰に曲を盛り上げるようなことはしません。
しかし、いかなる時も瑞々しい悲しみを含んだ楽曲は、ただ目の前の過ぎゆくだけでも胸を打ちます。


そっと、ひそやかに、繊細に。
丁寧に作りこまれた音の響きと、その中に湛えられた感情で魅せるバンドです。

アルバム情報

2019年6月現在、4枚のアルバムを残しています。
リリースを重ねるにつれ、徐々に手が込んでくるという印象を受けます。
Slow Core/Sad Core的なシンプルさを味わうなら、1stが良いかもしれません。

また、中心人物の一人Joseph Desler CostaはCosta Musicとして、もう一人の中心人物Lindsay AndersonはSame Wavesしても活動しています。
どちらもL’altraよりも明白にエレクトロニカへと接近しています。
特にSame Wavesは「Slow Core/Sad Coreっぽい空気感を持ったエレクトロニカ」という独特な作風に調律しており、特筆すべき素晴らしさです。



Dakota Suite

L’altraがふんわりエレクトロニカ路線だったのに対して、Dakota Suiteはがっつりポスト・クラシカル路線です。

  • 陰鬱な叙情性       A
  • 曲のスロウさ       
  • アレンジのシンプルさ   
  • アングラ・コア的緊迫感  D
  • インディー的ポップネス  B-

アコースティックギター、ピアノ、チェロといった楽器が奏でる抑制されたサウンドスケープには、しっとりとした憂鬱や絶望だけが存在しています。
刺々しい苛立ちは感じられません。

ベースやドラムスといったリズム楽器があまり用いられないのも特徴です。
豊潤でクラシカルな音色を暗鬱に響かせ、スロウなテンポの中でそっと溶けていくのを無言で見つめているような、薄暗いノスタルジーを感じます。

水墨画的な侘び寂び、と言い換えても良いかもしれません。
閑寂なサウンドの合間から、豊かな感情が小川のように流れ出しています。
ボーカルは感情的ながらも耳触りがよく、淡々としたメロディにもついつい耳を奪われてしまいます。

また、彼等にはボーカルがない作品も多く、そういったアルバムはよりクラシカルな気品が前面に出ています。

彼等の音楽からはインディーズ/ハードコア的文脈から発生したSlow Core/Sad Coreらしからぬ優雅な響きが感じられます。
描かれる音景はあたかも石庭のようで、自己と見つめ合う一時を鳴らしてくれます。

アルバム情報

Dakota Suiteは非常に多作です。また、コラボレーションアルバムも見られます。(中にはVampilliaとの作品も!)
フォークな色が強かったりクラシカルの色がより強かったり、ジャズ色が強かったりと色々です。
しかし、根底にあるDakota Suite的な魅力はどの作品でも損なわれていません。
とりあえず、歌ものかインストものかだけを確認すれば良いかと思います。





Coastal

L’altraとDakota Suiteが変化球だとしたら、Coastalは大人しめSlow Core/ Sad Core枠のど真ん中剛速球です。

  • 陰鬱な叙情性       B-
  • 曲のスロウさ       
  • アレンジのシンプルさ   
  • アングラ・コア的緊迫感  D
  • インディー的ポップネス  B

バンドサウンドによってSlow Core/Sad Core的静謐さを徹底的に追及した結果、という感じですね。
虚飾のない、シンプルなサウンドです。
音符の音色を存分に聴かせるような、森の奥の湖畔のような音楽です。


そして、興味深いことに彼等の音楽からは陰鬱な感じがしません。
暗く野獣が出る森を抜けた先に辿り着けるような、涅槃的な静けさがあります。

風に揺れる葉擦れを思わせる優しいスロウさ、
ディレイがかったギターが織り成す心地よい日差しのような音響、
なだらかに溶けていくようなメロディを歌う男女混成のボーカル、

その全てが数多の波紋のように溶け合い、混ざり合い、聴く者をひっそりと包んでくれます。

要するに、非常に平和なんです。
そして、安心できる場所にはずっと寄り添っていたいと思うのが、人間の性ではないでしょうか。


何回も聴きたくなる魔力があります。

アルバム情報

2019年6月現在、3枚のアルバムをリリースしています。
あまり大きな差異はありませんが、1stにはやや苦悩の苦みがするかなと個人的には思っています。


このカテゴリーにおける他の注目バンド

Rivulets,Art of Fighting,Arco

暗鬱なヘヴィネスを使いこなしたバンド

この項目は、Slow Core/Sad Core立役者の一角Codeineの影響が大きいバンドの存在感が目立ちます。
また、ラウドにかき鳴らすというよりもラウドさを巧みに使いこなしているバンドが主になっています。

では、個別に見ていきましょう。

Shores

  • 陰鬱な叙情性       B-
  • 曲のスロウさ       B+
  • アレンジのシンプルさ   C+
  • アングラ・コア的緊迫感  B-
  • インディー的ポップネス  

Codeineからの影響を強く感じさせるバンドです。
『静』『動』スタイルがロック的なキャッチーさを感じさせます。

悲痛な感情を渦巻くディストーションギター、
ぼそぼそとメロディを紡ぐボーカル、
重くスロウにビートを刻むベースとドラムス等々が、
余分な飾りを排したまるで骨組みのようなサウンドレイヤーを構成しています。
また、『静』『動』スタイルを多用するため、Slow Core/Sad Core的な重さと、グランジやポストロック的な重さを兼ね備えていると言えます。

しかし、曲そのものは極端に陰鬱になるわけではありません。
楽曲が全体的にややメロウなこともあり、感情表現が非常にマイルドになっています。


夜の闇の中で、遥か彼方で赤々と燃えるものを見つめている。
凄まじい熱風が、風に乗っておぼろに伝わってくる。

そんな楽しみ方をする音楽だと思います。
この手のサウンドとしては珍しいですが、激情を楽しむというよりも風流を楽しむバンドではないでしょうか。

アルバム情報

5枚のアルバムをリリースしています。
大まかな傾向としては作品を経るに連れラウドさは弱まっていきます。
サウンドからは荒々しさが減り、風流が強まります。

しかし、近年は風流さを維持したままヘヴィネスへと回帰しています。



The White Birch

Codeineの2ndアルバムをバンド名にしている、ノルウェー出身のバンドです。

  • 陰鬱な叙情性       B+
  • 曲のスロウさ       B-
  • アレンジのシンプルさ   C-
  • アングラ・コア的緊迫感  B-
  • インディー的ポップネス  C

そのサウンドはまさしくCodeine+北欧妖精的な雰囲気。
スロウさはCodeine直系ですが、オリジナルが持っていたグランジ的なざらつきは感じられません。幻想ベースのほの暗さです。

Sigur Rosを思わせる澄んだボーカル、
微かに躍動感を放つベースとドラムス、
ギター、フィードバックノイズ、ピアノ、管楽器が織り成す薄暗い響きから立ち昇る、妖精の気配漂う湿った森の匂い。
Slow Core/Sad Coreでは異色のサウンド・テクスチャーです。

ただ、基本的にSlow Core/Sad Coreのお約束とおりな淡々とした曲調が繰り返されます。
しかし、何度も繰り返されるサウンド・テクスチャーには、メルヘンでありながらも不気味さがあります。


特に意図的に不気味さを押し出しているときは強烈です。
Slow Core/Sad Core界隈でも彼等がトップクラスかもしれません。
もはや「異形」と言い換えられる突き抜け方をすることもあります。

そして、不気味さの濃度が臨界点を超え、ディストーションとともに爆発する瞬間もなかなか面白いです。
聴いていると、禁忌を破り見てはいけないものを見てしまった気分になります。

なお、1stの重苦しさが2nd以降では概ね払しょくされ、北欧幻想的なサウンドスケープが前面に立つことになります。

アルバム情報

2019年6月現在、3枚のアルバムをリリースしています。
所感は上記のとおりです。



Horse Jumper of Love

2017年にデビューアルバムをリリースしています。
Slow Care/Sad Core界隈ではかなりの新顔ですね。

  • 陰鬱な叙情性       A-
  • 曲のスロウさ       B
  • アレンジのシンプルさ   B
  • アングラ・コア的緊迫感  C
  • インディー的ポップネス  C

特徴は何と言ってもSlow Core/Sad Core+グランジなサウンドでしょう。
それも表面的な手法だけでなく、空気感も見事に混ざり合っています。


ミドルテンポな曲とスロウな曲が混ざり合うアルバム構成、
時にコーラスを深くかけられ、陰鬱につま弾かれるエレキギター、
ぶっきらぼうながらも淡々と反復されるリズム隊、
盛り上げるところではディストーションペダルが踏まれ、一気に反転する世界。
そして、ボーカルはざらついたノスタルジーを陰鬱に歌いあげます。

ベースにあるのはSlow Core/Sad Core的な陰鬱さですが、グランジ的な気だるい咆哮もかなりの頻度で最前面に顔を出しています。
特に曲をキャッチーにしようという意図があるとグランジ面を強く押し出しているようです。

本来はグランジへの反動として生まれたSlow Core/Sad Coreが、必要に応じてその相手を取り込んでしまうのは面白いですね。

Red House Paintersを筆頭にSlow Core/Sad Coreはサウンドスケープとして自然を想起させるものが多いです。
しかし、本作はグランジ的強烈な気だるさが加わったことにより、都市的な陰鬱へと変化しています。
グランジ的かつ直情的であるがゆえ、都市で生きる若者の姿を映しとっているのかもしれません。

アルバム情報

2019年6月現在、リリースされているのは1stアルバムのみです。

このカテゴリーにおける他の注目バンド

Acetate Zero,Cobolt,Saso(ラウドではないけどこのカテゴリーと同じ空気感があります)



Slow Core/Sad Coreを洗練・発展させたバンド

個人的には、Slow Core/Sad Core的な旨味が一番ぎゅっと詰まっているカテゴリーだと思っています。

先達が創り上げたSlow Core/Sad Coreというイメージを踏襲しつつもそれを洗練させ、高純度のメランコリック・アンダーグラウンド・ミュージックをパレットへと蒸留しています。

むろん、初期組のようなオリジナリティはありません。
しかし、エモいなんて言葉では到底片付けられないような熱量が込められた音楽が、荒野にそびえる太古の戦士達の碑文のように無数に屹立しています。

Early Day Miners

個人的にはこのカテゴリーにおける横綱と思っている、とても大好きなバンドです。

  • 陰鬱な叙情性      A
  • 曲のスロウさ      B
  • アレンジのシンプルさ  
  • アングラ・コア的緊迫感 A-
  • インディー的ポップネス B+

剥き出しのエモさを、血の通った温かいサウンドに乗せて奏でています。

時に淡々と、時に控えめながらも感情的に、そしていかなる時も物憂げに時を刻むドラムスとベース、
梅雨の匂いのようなメランコリーと共に揺蕩うエレクトリックギター、
優しく擦れた男性ボーカルと、そっと寄り添う朴訥な女性ボーカル。
喪失感を感じさせる旋律が胸を打ち、野ざらしにされた感傷に雨が伝っているかのような痛みと優しさを同時に感じることができます。

沈み込むようでありながら開放的でもあり、ソリッドでありながらも柔らかでもあり、 叙情的でありながら峻厳でもあります。
相反する感覚が溶け合うわけでもなく、反発するわけでもなく、バランスを危うくするわけでもなく、当たり前にそこにあるのです。
決して派手なことではないかもしれませんが、間違いなく奇跡的です。


どぎつい感情表現は皆無でありながらひりひりとした痛みを常に伴う、聴き手に雨に濡れた銃口を突き付けるようなノスタルジー・ミュージック。
叙情的な湿気を含んだ音景は、刹那的な美意識を抱いたまま聴き手の心に薄蒼く瑞々しい感情を静かに注ぎ続けます。

猛り叫ぶギターはありません。
地を叩き割るベースラインもありません。
けたたましいドラムスも、鼓膜にこびりついて離れない絶叫もありません。

ここにあるのは、心を抉る詩情に満ちたアンダーグラウンド・ミュージックです。

アルバム情報

2019年6月現在7枚のアルバムをリリースしています。
2ndにあたるLet Us Garlands Bringと3rdにあたるJefferson at Restが個人的にはずば抜けていると思います。


※Early Day Minersの全アルバムについてはこちらでも語っています。




Half Film

Early Day Minersよりもソリッドで殺伐とした雰囲気に寄っているのが特徴でしょう。

  • 陰鬱な叙情性       A
  • 曲のスロウさ       B-
  • アレンジのシンプルさ   
  • アングラ・コア的緊迫感  A
  • インディー的ポップネス  C

淡々と繰り返されるドライなギターアルペジオ、
前面に出ることはないものの、常に切れ味の鋭さを見せるベースとドラムス、
投げっぱなしなメロディラインをぼそぼそと紡ぐ男性ボーカル。
使用される音数は必要最低限、
曲中につけられる緩急も微々たるもの、
殺伐としたミニマルさが紡ぐ乾いた美しさからは、荒野の枯沼を照らす月光の如き趣きを感じます。

甘ったるさのなさが彼等の特徴でしょう。
ともすれば聴き手を突き放しているようにも感じるほどです。
しかし、その突き放し方が雅やかなのです。
拒絶の美学、とでも言うのでしょうか。
苦み走った色気を感じます。

Slow Core/Sad Coreが本来持つ「コア」としての一面を打ち出しつつも、決して凶暴な匂いはしません。
殺伐とはしていますが、衝動的なエネルギーが渦巻いてはいないのです。


ぶっきらぼうで渋い叙情性にぞくぞくします。
辛口のお酒に、少し似ているかもしれません。

アルバム情報

2枚のアルバムを残しているようですが、びっくりするほど差異はありません。
どちらもドライな色気があってかっこいいです。



Duster

Dusterサウンドはナード的なポップネスが強調されています。
また、Slow Core/Sad Core界隈では珍しくスロウではない曲が印象に残るバンドでもあります。

  • 陰鬱な叙情性       
  • 曲のスロウさ       C-
  • アレンジのシンプルさ   
  • アングラ・コア的緊迫感  C
  • インディー的ポップネス  A+

特に1stアルバムで顕著な特性として現れる、物憂げな風が吹き抜けるようなサウンドには驚かされます。

ただ、サウンド全体としてインディー的なソリッドさはなく、ささくれ脱力系パワーポップ的な朴訥さが味わい深いですね。

へろへろとした質感で響くエレキギター、
仄かに不穏さを含むベースライン、
柔らかくアットホームなドラムス、
背中を丸めて歌う姿が目に浮かぶような陰気なボーカル、
Slow Core/Sad Coreの中でも一際Lo-fiなサウンド。

荒涼とした海風に晒された初期Weezerとでも言えばいいのでしょうか。
ギターがコードで鳴らされることが多いせいか、よろよろながらも歩みを進めるようなイメージが聴き手の脳裏をよぎります。


若々しい危うさがあり、地を這うような重苦しさがあり、しかし長く響く音符の合間からは微かなピュアネスが鼻先を掠めます。

Half Filmが辛口なら、こちらは甘口のお酒かもしれません。

アルバム情報

活動再開後も含め、3枚のアルバムを残しています。
ポップ感が一番強いのが1stでしょうか。
2ndはダウナー要素が増加し、やや映像喚起的な音像に変わります。



このカテゴリーで他に有名なバンド

carissa’s wierd,Rex,kepler,

番外編 Slow Core/Sad Core(スロウコア/サッドコア)と似て非なる者達 聴き比べるのもおすすめ

おまけです。

Slow Core/Sad Coreと同じ時代に同じような機運で発生し、同じような特徴を持ちながら、Slow Core/Sad Coreとは違う空気感を持っている音楽家について語ります。

聴き比べてみると面白いです。

Sparklehorse

ヴァージニア出身のシンガーソングライター、Sparklehorseです。

スロウな曲調、静謐でシンプルなアレンジ、気だるい雰囲気などは確かにSlow Core/Sad Core的です。

ただ隠し切れない刹那的狂気や強烈な懊悩、故郷への憧憬などが影響しているのでしょうか、Slow Core/Sad Coreとは全く異なる空気感になっています。
より強烈に郷愁的であり、強烈に人間的と言えるでしょう。

Arab Strap

お次はグラスゴーインディーからArab Strapです。

スロウなテンポ、ぼそぼそとしたボーカル、淡々と奏でられる陰鬱さ等々こちらも表面的にはSlow Core/ Sad Core的です。

しかし、Slow Core/Sad Core的な郷愁感ではなく、Mogwaiなどに通じるグラスゴー的な不穏さが強く出ています。

個人的にはですが、聴き比べた後にSlow Core/Sad Coreはナルシスティックなジャンルなのかなと感じました。

Mojave 3

最後はポスト・シューゲイザーからMojave 3です。

スロウさ、シンプルさ、静謐さは完璧に合致しますが陰鬱さが存在しません。
ただ、全身のSlowdiveが持っていた陰鬱さがMojave3に受け継がれていたとしても、Slow Core/Sad Coreとはみなされなかったでしょう。
Slowdiveの陰鬱さはSlow Core/Sad Core的な陰鬱さとは空気感が異なります。

敢えて色に喩えるならSlowdiveは白、Slow Core/Sad Coreは紫といったところでしょうか。

何にせよ、非常に美しい音を奏でるバンドです。

終わりに Slow Core/Sad Core(スロウコア/サッドコア)、LowやRed House Paintersでさえ扱いがマイナーでは?

いかがでしたか。

パンクやグランジ、シューゲイザーなどは邦書も存在し、ムーブメントを体系的に理解するのが容易になっています。

でも、Slow Core/Sad Coreには情報がほとんどないです。
もちろん「おすすめのバンド!」とか「おすすめのアルバム!」はあるのですが、点と点をつなぐ線が全くないのです。


そういう情報が欲しくて、超絶拙いなりに自分で作ってみました。
「ここ、違うんじゃね?」というご意見がありましたら、
やんわり教えてくれると嬉しいです(やんわり、ですよ?)。

あと、誰か本書いてください。



それでは。

主要参考サイト

http://drownedinsound.com/in_depth/4152207-the-beginners-guide-to–slowcore

https://4chanmusic.fandom.com/wiki/Slowcore

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