Shoresのアルバムについて。スロウな気迫、いぶし銀の重み

こんにちは。

Shoresはミシガン、ミネソタ、ミネアポリス出身のメンバーで構成されるロックバンドです。

公式Bandcampより

ジャンルとしては、スロウコアCodeine的な質感を帯びつつも、エモ的な素朴さ/エモーショナルも感じられるのが特徴です。

2022年7月現在、Shoresは5作のスタジオアルバムをリリースしています。
本記事ではその全てを紹介します。

Shoresのアルバム一覧

(1st)Coup de Grace

Shoresの中でも最も「Shoresっぽいな」と感じる作品です。

スロウで物憂く、硬質でエモーショナル。シンプルなサウンド構成で、ゆったりと「間」を取りながら硬派寄りのスロウコアを鳴らしています。

悲しみを湛えた男性ボーカル、影を帯びたアルペジオ/ラフなギターストロークを奏でるエレクトリックギター、シンプルに伸びゆくベースライン、虚飾を省いたドラムス。物憂い静けさを情感たっぷりに聴かせ、時に迫力を見せながら、いかなる時もいぶし銀の貫禄を見せています。

個人的には「Codeineに近い……?」と感じる場面も多いのですがエモ/インディーロックっぽいニュアンスも強めに入っていることもあり、滑らかな質感になっているように思います。

荒涼としたスロウさ、生々しい叙情性、そこからにじみ出る気迫。どれをとっても極めて優秀です。

もっと知名度があっても良い作品だと思っています。

(2nd)To Volstead

前作の路線を踏襲しつつ、穏やかになっている作品です。

アルペジオの調和だったり、ストロークの質感だったり、あるいは楽曲全体の響きだったり。前作ほど硬質ではないため、やや緩やかさが感じられるようになっています。

物憂さ/シンプルさ/ラフさ/スロウさは変わらないものの、インディーロック/エモ的な素朴さがやや強めに出ています。優しい雰囲気も感じられますが若々しい純朴さよりもいぶし銀的な味わい深さの方が本作の魅力なのは間違いありません。

素朴なメロディを歌う男性ボーカル、シンプルなフレーズを紡ぐエレクトリックギター、低音部を無駄なく埋めるベース、スロウなビートを淡々と刻むドラムス。スロウでやや物憂い響きを刻み、時に迫力を見せ、上手に緩急をつけています。

ソフトながらも「本物」感は本作でも変わりません。
静けさから立ち昇る生々しい叙情性を、アルバムの最初から最後まで楽しめます。

(3rd)Leavening

前作の穏やかさを引き継いでいる作品です。

スロウでひっそりとしつつも生々しい質感は健在。淡々と物憂い叙情性を軸にしつつ、柔らかさを感じさせつつ素朴なインディーロック感も漂わせています。

ただ、静寂を切り裂くようなエレクトリックギターの余韻はもの悲しくも美しく、芯の強さや激しさを感じさせる瞬間でさえ、詩情に溢れた儚さを感じさせます。

大きな変化がある作品ではないのですが、ただ激しさを見せる場面では前作よりも迫力を感じます。

スロウな叙情性は研ぎ澄まされた美を映し、ハードコア的なラフさやエモ的な蒼さをにじませ、胸に染み入るアルバムです。

(4th)Precedents

ラウドなギターや張り詰めた緊張感が、やや強めに出ている作品です。

スロウなスピードの中で、陰鬱な叙情性がゆったりと渦を巻くように響いています。サウンドの硬質さはそのまま線の太さも増しており、全体的に力強さを感じさせます。迫力を感じさせるタイプのスロウコアと言えるでしょう。

訥々と歌うボーカル、緩急を使い分けるエレクトリックギター、確かな存在感で楽曲を支えるリズムセクション。ポストメタル的な匂いも漂う、叙情性あるヘヴィネスが魅力的です。

いぶし銀的な、あるいは酸いも甘いも嚙み分けたような、大人っぽさも磨きがかかっており、物憂くも泰然とした雰囲気を常に帯びています。

Shoresの変わらない魅力が、本作でも感じられます。

(5th)Shores

Shoresの中でも最もラウドさが際立っている作品です。

敢えて(無理に)例えるならJesuやCodeineにも近いサウンドになっており、静謐な静けさからヘヴィネスへの飛躍を、叙情性たっぷりに描いています。

物憂いスロウさの奥底では影を帯びた感情が渦巻いており、静寂を描くパートでも「重さ」をしっとりと含んでいるのが本作の個性。ただ、メロディがなめらかなこともあり、キャッチーさも変わりません。

素朴ながらも優しいメロディを歌うボーカル、ラウド/メロディアスなエレクトリックギター、ゆっくりとした曲調に的確なハリを与えるドラムス。ヘヴィながら耳触りの良い優しさも感じられ、アンダーグラウンド的な空気感を帯びながらも聴きやすいサウンドに仕上がっています。

ハードコア的なラフさも匂わせつつ、スロウに気迫あふれるサウンドを生み出しています。

ラウドな作品が好きな方にとっては特に聴きやすい作品です。

主要参考サイト

https://en.wikipedia.org/wiki/Shores

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