Seamのアルバムについて。ラフで繊細、アンダーグラウンドが育んだ珠玉のポップセンス

こんにちは。

Seamは1991年にBitch MagnetのSooyoung Parkを中心に結成されたUSのロックバンドです。

公式Facebookより

ジャンルとしてはインディーロック/ポストハードコア/スロウコアといったタグ付けをされることが多いようです。

スロウコアにカテゴライズされるバンドの中ではラフで力強いサウンドを奏でている瞬間が多いバンドですが、それでもBitch Magnetと比べれば繊細な印象を受けます。

2022年7月現在、Seamは4作のスタジオアルバムをリリースしています。
本記事では、その全てを紹介します。

Seamのアルバム一覧

これからリリース順にアルバムを見ていきますが、文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作成しました。

では、本題に入りましょう。

(1st)Headsparks

インディーロック的なラフさを漂わせつつも、影を帯びた雰囲気と繊細なメロディが魅力的な作品です。

オルタナ的ポップ感を滲ませる楽曲は「スロウ」というよりもゆったりめなモノが多く、(良い意味で)もたっとしつつもロック的躍動感を常に帯びています。


素朴でキャッチーなボーカル、アンダーグラウンド的な粗さとポップな耳触りの良さを兼ね備えたエレクトリックギター、シンプルなリズムを刻むリズムセクション。ほんのりとアンニュイながらも、ラフで牧歌的なサウンドが繰り広げられています。

無駄の無いシンプルなサウンド、ハードコア由来のラフさ、繊細ながらもキャッチーな旋律。時折「スロウ」になるときは「いかにもスロウコア」的なサウンドを奏でていますが、それ以外の時も内省的な響きを含んでいます。

スロウコアというジャンル/概念の、ラフな一面を感じさせてくれるアルバムの一つです。
個人的には一番好きな作品です。

(2nd)The Problem with Me

前作の路線を踏襲しつつ、良い意味で「慣れてきたのかな」という印象を受ける作品です。

特に冒頭部はオルタナ感を存分に感じさせるポップな旋律とラフな躍動感が魅力的。ハードコア感が匂い立つギターロックのかっこよさを存分に放っています。

その後は粗い質感が持つ独特の魅力を漂わせつつ、時折スロウで穏やかな一面を魅せるようになります。ただ、基本的に曲内での「静」「動」の緩急はしっかりついており、キャッチーな聴きやすさも非常に際立っています。


ダイナミックな一面が目立ちますが、繊細で物憂い雰囲気がするのも事実です。特に本作は随所でポップな感性が光っており、パワーポップにも通じる一面が特に目立っているように感じます。

いわゆるスロウコアという枠組みではなく、もっと普遍的な素晴らしさを感じさせる作品です。

(3rd)Are You Driving Me Crazy?

普遍的なオルタナ感を残しつつ、穏やかな一面もやや強まっている作品です。

冒頭部は今まで通りパワフルですが、その後穏やかさな雰囲気の楽曲が存在感を増していきます。オルタナ的なメロディアス感を湛えたゆったりめの響きが、ハードコア由来の粗さと共に奏でられているのが印象的です。

繊細で、メランコリックで、躍動感もあって。ラフさの奥に無垢な叙情性を帯びたサウンドが、たおやか/しなやかに紡がれています。

ただ、(全体的にやや穏やかになっているとはいえ)しっかり「静」「動」パートを効果的に使い分けている楽曲も多く、キャッチーなメロディも含めて「ポップだな」という魅力を感じるのは本作でも変わりありません。

スロウコア的でもありますが、「ナイーブな面を強調したパワーポップ」としての魅力も秘めた作品だと個人的には思います。

(4th)The Pace Is Glacial

Seam的質感を残しながら、ポップさを増している作品です。

冒頭のエネルギッシュさも変わらないのですが刺々しさはやや減り、良い意味で聴きやすい質感を高めています。エモっぽさが今までより感じられるのも魅力でしょう。

比較的アップビートな楽曲が多い前半部は諸々のインディーロック感がありつつ、繊細ながらもカラッとした雰囲気が漂っています。柔らかい雰囲気を帯びつつ、強烈に緩急をつけるというよりも(迫力ある瞬間ももちろんあるのですが)、軽やかなロックサウンドを軸にしているのが特色です。

中盤以降はハードコア由来のスロウだったり、密やかだったりする一面が徐々に強まっていきます。ラフな質感を残しつつ繊細な響きを連ね、ナイーブでポップな旋律を優しく奏でています。

だいぶ「いわゆるスロウコア」によってはいますが、他の作品同様特定のジャンルには収まりきらない魅力を感じさせるアルバムです。

主要参考サイト

https://en.wikipedia.org/wiki/Seam_(band)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。