イラン発、Rojin Sharafiのアルバムについて。蠢動する、暗黒電子魔境

こんにちは。

Rojin Sharafiはイラン出身でウィーンを拠点にするサウンド・アーティスト/コンポーザーです。

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電子音を巧みに操りながら、SF・ディストピア的なダークさを湛えた実験音楽を創り続けています。
いわゆるIDM・エレクトロニカ(初期含む)とは似て非なる、独自の抽象的なテクスチャーを帯びています。


2021年6月現在、Rojin Sharafiは2枚のフルアルバムをリリースしています。
本記事ではその全てを見ていきます。

Rojin Sharafiのアルバム一覧

これからリリース順にアルバムを見ていきますが、文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作成してみました。

では、本題に入りましょう。

(1st)Urns Waiting to Be Fed

Urns Waiting to Be Fed(餌を待つ骨壺)というタイトルにぴったりな、陰鬱な雰囲気に満ちている作品です。

文学的な静謐さが土台になっています。しかし、その内側では不穏なシンセ・電子音、時折顔を出す脈つようなスネアやキックなどの小刻みな揺れ動き等々が、心的不調を訴えるように騒騒しく蠢いています。

奏でられるサウンドはプリミティブとインダストリアルの間を淡々と行き来しており、工業的ながらも有機的で生き物めいた不気味さが脈打っているのが本作のカラーであるとも言えるでしょう。

未来的で、退廃的で、禍々しくて。
だけど、どこか暗黒のサウンドテクスチャーには時折気品に満ちた光沢がひらめくこともあって。

あまり中東的な妖しさや香りはなく、無国籍で表情を読み取るのが難しいダークな蠢動が徹頭徹尾最初から最後まで続いていきます。

ディストピア的、SF的、ホラー的。
本作のサウンドスケープには様々な要素が溶け合っていますが、そのどれにも属さぬ生々しい荒涼としたファンタジーが香り立っています。

(2nd)Zangaar

感情の赴くままに音を迸らせていた前作に対し、暗黒に染まった蠢きを整然と紡いでいるのが本作の特徴です。
ディストピア的なサウンドスケープの解像度が上がっており、没入感が向上しているようにも感じられます。


陰鬱なポエトリーリーディングが大々的に導入されているのが大きな変化でしょう。その結果、インダストリアル/プリミティブを行き来するダークSF的な世界観に語り部的な民話性が導入され、中東的・ペルシャ的なニュアンスの微かな匂いが感じられるようになっています。

不穏なシンセ・電子音が醸成する荒涼とした情景がダウナーな文学性を鴨田氏出す、得体の知れない暗闇の蠢動を描き出しています。
また、息を潜めるような妖しい静謐さは存在感を増し、生々しくも真っ暗な艶やかさを演出しています。

獣の悲鳴のような禍々しさ、月明かりに照らされた廃墟のような退廃性、虚ろでSF的な非現実性。
それら全てを一緒くたに煮詰めた結果、抽象的でアーティスティックなサウンドテクスチャーが完成しています。

方法論の精度が増した分だけ、描き出される世界の生々しさが上がっているという印象を受けます。

個人的にはこちらから聴くことをオススメしたいです。

主要参考サイト:イラン発、Rojin Sharafiのアルバムについて

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