Poorly Drawn Houseのアルバムについて。心の軋みを映す、物憂い微熱

こんにちは。

Poorly Drawn Houseはサウスカロライナ州で活動する3人組ロックバンドです。

post-trashより

ジャンルとしてはスロウコアポストロックになるのでしょうか。
アルバムによって作風は違うのですが、物憂くて侘び寂びのあるサウンドは一貫しています。

2022年7月現在、Poorly Drawn Houseは2作のアルバムと1作のEPをリリースしています。
本記事では、その全てを紹介します。

Poorly Drawn Houseのアルバム一覧

これからリリース順にアルバムを見ていきますが、文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作成してみました。

あくまで個人的なイメージです。ご容赦ください。

(1st)Rock Springs

後の作品に比べ、粗削りな魅力を感じさせる作品です。

陰鬱に零れ落ちるギターの単音フレーズと物憂い呟きのようなボーカルで幕を開ける冒頭曲から始まり、スロウで静謐な楽曲がぽつぽつと続いていきます。

叙情的ながらも、全体的にラフな雰囲気を帯びているのも特長。リズムセクションの存在感が控えめなこともあり、ビート感は薄め。不協和音めいたギターストロークを織り交ぜつつゆらゆらと揺らめくアンサンブルは、まるで拙い足取りでひっそりと歩いているかのよう。

影を帯びたメランコリーを、重くなりすぎず、美しくしすぎず、絶妙のバランスで奏でています。Hood周辺にも通じる詫び寂び的な音響感覚が、良い意味での若々しさ/(良い意味での)未熟さと共に紡がれています。

(2nd)(compilation)

ジャズの匂いを感じさせるスロウコア作品になっています。クールな熱気というんでしょうか、スロウコア/ポストロック的な静謐さの中にジャズらしい魅力を存分に湛えています。

冒頭曲ではギターが唐突にノイズを吹くなど、探求精神もジャズ譲り。ボーカルの存在感が後ろに下がり、エクスペリメンタルな雰囲気が濃厚。澄んだ美しさも磨きがかかっています。ピアノ/管楽器/アコースティックギターが密やかながらも熱を帯びた響きを添え、優美さと実験的音響を兼ね備えたサウンドを完成させています。

侘び寂びのあるひっそりとしたサウンドが浮かび上がって、広がって、静かに消えていく。心には、なんとも言えない悲しみが残ります。

儚くも知性的で、荒涼としつつも温かい。気品を帯びつつ、鋭さもある。繊細なバランス感覚の上に成り立っている作品です。

(EP)Home Doesn’t Have Four Walls

いわゆるスロウコアっぽさをぐっと増してきた作品。分かりやすい緩急もあり、聴きやすさも魅力です。

ひっそりと物憂く、それと同時に同時にソリッドな音像が静寂を鋭く切り裂き、そっと溶けていきます。

引き算の美学で「間」を活かしたスロウなサウンドは内向的な空気をたっぷり含み、シンプルなサウンドでアンニュイな音世界を紡ぎます。サウンドは全体的に金属質で冷たい感じ。時に力強く躍動することもあり、心の軋みを音にしたようなナイーブさを感じます。

気だるいボーカルの訥々とした喋り方、感性的なサウンドが印象的なエレクトリックギター、時折顔を出す冷たいシンセ、スロウにうごめくリズムセクション。ダークで冷やかな雰囲気を絶えず帯びながら、空虚な響きを帯びながら、同時に育ちの良さや気品も感じます。

高い水準を誇る洗練されたスロウコア作品です。

主要参考サイト

https://poorlydrawnhouse.bandcamp.com/

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