NST & Soul Sauceのアルバムについて。サイケデリック・コリアンレゲエ

こんにちは。

NST & Soul Sauceは2014年に結成された韓国出身のサイケデリック・レゲエバンドです。

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レゲエ/ダブにジャズ・ファンク・アフロビート・韓国伝統音楽等の要素をブレンドしたサイケデリックなサウンドを特徴としています。

2021年7月現在、NST & Soul Sauceは2作のフルアルバムをリリースしています。
本記事ではその全てを見ていきます。

NST & Soul Sauceのアルバム一覧

これからリリース順にアルバムを見ていきますが、文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作成してみました。

では、本題に入りましょう。

(1st)Back When Tigers Smoked

ルーツレゲエを土台にしつつ、韓国伝統音楽やジャズの影響が漂わせる独特の世界が構築されています。

東アジア的ニュアンスを帯びたスモーキーなレゲエ、というところに本作の魅力とオリジナリティが集約されているように思います。

ディープでジャマイカンなグルーヴのうえに歌謡曲的な親しみやすさが覆いかぶさり、時と場合に応じて両者の濃度は変わっていきます。

ダブでサイケデリックな方向に吹っ切れた次作に比べると、ノーマルなレゲエサウンドに近いのが本作の特徴と言えるでしょう。

時折顔を出す朗らかな韓国語のボーカル、
いなたいグルーヴを生み出すオルガン、
自然体のカッティングを響かせるエレクトリックギター、
メロウだったりサイケだったり様々な色を添える弦楽器やハーモニカ等、
レイドバックしたグルーヴを生み出すベースとドラムス。
韓国語のボーカルだったり韓国的なニュアンスを含んだサウンドはやはり新鮮で、それに加えてヒリヒリとした実験精神も重なっているのが印象的です。

レゲエ的な解放感が心地よいのはもちろん、それ以上に新しい何かを追求するようなマニアックな探求心が響いています。
かといってオタク的でなよっとした感じは一切せず、武骨で力強いサウンドになっています。


NST & Soul Sauceという御旗が掲げられたかのような、新しいサウンドの息吹が満ちているアルバムです。

(2nd)Version

本作は韓国の伝統的民俗芸能であるパンソリの歌い手、キム・ユルヒをフィーチャーした作品になっています。

本作の主な特徴は

  1. 彼女のボーカルがフィーチャーされ、韓国伝統音楽的な雰囲気が強まっていること
  2. ダブ的なサウンド・ビートの影響が強く出ていること

の2点になっています。

よりスモーキーに、よりドープに、より先鋭的に。
レゲエ/ダブが根底にあるのは間違いありません。


しかし、韓国民謡、仏教音楽、アフロビート、ジャズといった要素がどっぷり注ぎ込まれ、
NSTたちの情熱によってぐつぐつと煮こまれ、
原形を留めない濃厚なアンダーグラウンドミュージックへと進化を遂げています。


万人が目を輝かせるような音楽ではないかもしれませんが、好きな人にはたまらないタイプの音楽でしょう。

独特の節を利かせた歌い方が印象的なキム・ユルヒのボーカル、
秘めた熱量を漂わせるオルガン、
ゆったりとしつつもグルーヴを刻むカッティング・ギター、
アフロビートの匂いを感じさせるホーン隊、
ダビーな雰囲気を強く感じさせるリズムセクション、
ジャズのセッションのようなヒリヒリとした熱量を感じさせつつも、韓国歌謡的なアジア感は絶えず揺らめいています。

ジャンルを問わず様々な音楽を飲み込みながら、NST流のドープなサウンドとして上手に消化している印象を受けます。
その一方で、実験的な音楽にありがちなマニアックでナード的な感じはせず、魅力的な精悍さが失われることはありません。


実験的な精神と熱く滾る熱量を両立させた、未知の音楽的境地へ片足を突っ込んでいるアルバムと言えるでしょう。

個人的にはとても好きなアルバムです。

主要参考サイト:NST & Soul Sauceのアルバムについて

https://nohseonteck.bandcamp.com/

https://en.wikipedia.org/wiki/NST_%26_The_Soul_Sauce

https://www.fujirockfestival.com/19/artist/detail/5345

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