こんにちは。
Mouse on the Keysは2006年に結成された3人組のインストゥルメンタル・バンドです。

ジャンルとしてはポストロックというタグ付けを付されることが多いようです。
ドラムスとキーボードが織りなすジャジーでダイナミックなサウンドを特徴としています。
2022年6月現在、Mouse on the Keysは3作のフルアルバムをリリースしています。
本記事では、その全てを紹介しています。
目次
Mouse on the Keysのアルバム一覧
これからリリース順にアルバムを見ていきますが、文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作成してみました。

あくまで個人的イメージです。
ご容赦ください。
(1st)An Anxious Object
ジャズのエッセンスを感じさせるクールな熱量と、ロック的ダイナミズムを併せ持った作品です。
特徴はドラムスとキーボードが織りなす鍵盤型のサウンド。クールな緊張感や張り詰めた静寂を使い分け、時に胸に迫るメロディを紡ぎ、さらにはエレガントで迫力ある盛り上がりも見せてくれます。
ミニマルなアンサブル/メロディの求心力/サウンドが帯びるヒリヒリした熱量が折り重なり、各楽曲からは精悍さを感じさせます。しなやかな躍動感を生み出すグルーヴも相まって、大人の色気を漂っているのが印象的です。
軽やかながらも重厚さがあって、冷静さがあるのに迫力があって。スマートに聴けるサウンドにも関わらず、哀しみや喜びといった感情を喚起させる楽曲が徹頭徹尾続いていきます。
大人っぽくて、完成度が高くて。それと同時に、真っすぐ心に迫るロック的な純粋さも感じさせる作品です。
(2nd)The Flowers of Romance
前作よりタイトでエネルギッシュになっている印象を受ける作品です。
強まっているヒリヒリした緊張感、迫力を増したダイナミックな躍動感。変拍子を華麗に交えつつエモーショナルに荒れ狂うアンサンブルには、大人の余裕と優美な洗練を感じさせます。
もちろん、今作でもジャジーな色気は健在。キーボードとドラムス、時々サックスが織りなすミニマルでスキのない、精悍な透明感を湛えたアンサブルがアルバム全体に詰まっています。
研ぎ澄まされた静寂、力強く盛り上がるキメどころ、メリハリが効いた曲展開、聴き手の心へ一気に浸透するメロディアスさ。激情的でありながら聡明さを感じさせる響きは唯一無二とも言えるかもしれません。
ひょっとしたら作り手は感情を意識せず「音」にのみ向き合っているのかもしれませんが、個人的には「大人びた余裕と普遍的な感情」といった心の在り方を本作から感じます。
(3rd)Tres
大きな変化を見せつつ、成熟の度合いを深めた作品です。
ジャジーな雰囲気は変わらず帯びているもののエネルギッシュな躍動感を見せる場面は減り、しっとりとした楽曲の中心になっています。キーボードとドラムスは優しく絡み合い、時に精悍な迫力を生み出しつつ、いかなる時も優美な雰囲気を醸成しています。
ボーカルやエレキギターが使われている楽曲があるのも印象的。プログレ的なニュアンスが強まっているようにも感じられます。トラップっぽさ、トリップホップっぽさのある曲や全体的にミニマル感が今までよりもぐっと出ている曲もあり、バリエーションの幅は大きく上がっています。
現代のR&Bにもリンクするようなシルキーな色気が感じられるのも印象的です。スロウな曲が多いこともあり、夜の色気や澄んだアンニュイさが今まで感じられます。
柔らかな質感の楽曲が揃っているアルバムです。
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