Moon Ate the Dark / Moon Ate the Dark II 俯く美女のような、ピアノと電子音。 


こんにちは。


Moon Ate the Darkはウェールズ出身のピアニストAnna Rose Carterと、カナダ出身プロデューサーChristopher Baileyによるユニットです。

サウンドとしては、いわゆるポスト・クラシカルにカテゴライズされる音楽になるかと思います。

本作Moon Ate the Dark IIは彼等の2ndアルバムにあたり、ポスト・クラシカル界隈の名門Sonic Piecesよりリリースされています。

Moon Ate the Dark IIの特徴 ピアニストとプロデューサーという組み合わせ

サウンドの特徴 俯きがちな美女とシックな服

本作の軸になるのは、Anna Rose Carterのピアノです。
その旋律はミニアルであり儚くもあります。
素朴なメランコリーを奏でることもあれば、緊張感が走らせることもあり。
弾き手の感性を反映しているかのように冷冽でたおやかです。
また、音の合間から漂う陰の匂いには何度もはっとさせられます。


そこに加わるのがChristopher Baileyの手腕です。
ピアノを包む淡い残響、
ドローン調なバイオリンや情景的なシンセ、
瞬くような電子音などなど、
数多の優しい音色が添えられていきます。

出すぎず、地味過ぎず。
美しい装飾品のように、Annaのピアノを美しく飾り付けていきます。

俯きがちな美女と、それを引き立てるシックな衣装。
そんな言葉が見事にハマる音楽です。

パーソナルであること(壮大ではないこと)

本作の魅力は、ほの暗くゆったりとしたピアノ旋律と美しい残響達です。
個人の内面を掘り下げるような、深々とした楽曲が揃っていることも重要といえるでしょう。

一般的にポスト・クラシカルの楽曲には、

  • 壮大でテーマ的なもの
  • 緻密でパーソナルなもの

があると思います。

間違いなく、本作は後者に属する魅力的なアルバムでしょう。

Moon Ate the Darkとパーソナルであること(心の闇的な)

本作にあるのは決して朗らかで明るい美ではなく、影を漂わせるものです。
芸術品のように磨き上げられたせいで、その闇には近づきたくなる気軽さがあるから。

しかし、迂闊に手を伸ばそうものなら少なくともそんな浅いものではないとすぐに気づくでしょう。

だからこそ、パーソナルなアルバムとしてはこれ以上ないほど魅力的ですよね。
見てはいけないけど、だからこそ見たくなる。
無駄だと分かってても手を伸ばしてしまう。
そんな妖しさがあるんですから。


それでは。

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