ギターノイズとオーケストラが奏でる荘厳なる輪廻転生譚 MONO / Hymn to the Immortal Wind

今日は僕が大好きな音楽を紹介したいと思います。

海外で主に活動する日本のポストロックバンドMONOです。

ポストロックって何よ?って方も多いと思いますがいずれ説明します。

まずはざっくりとMONOの特徴を説明します。

(1)ギター、ベースとドラムスを中心とした編成。インスト。

(2)静かな時は落ち着いていて、盛り上げるときは壮絶なギターノイズを爆発させる。

(3)クラシック音楽に影響を受けた長尺で複雑な曲編成。

(4)似たような傾向の音楽が多いポストロック界でも類を見ないほどに抒情的。

そんなMONO。僕はどのアルバムも大好きなんですが、とりわけHymn to the Immortal Windが好きです。

何故なら、上記(4)の特徴である、抒情性が群を抜いて込められているからです。

とにかく曲の隅から隅までぎっしりと感情が込められているんです。もうはちきれそうなんです。

それも海外の抒情さ(エモーショナルさ)とは異なるのが素晴らしいところなんです。

サリンジャーやレイモンド・チャンドラーではなく村上春樹や川端康成のような、Vanessa CarltonやJohn Mayerではなくaikoや山崎まさよしのような、湿っぽく過剰な抒情性をとにかく極限までつきつめた音楽が70分間駆け抜け続けます。

それもそのはず。このアルバムがある物語を音楽で表現するために作られているからです。

少年と少女が出会い、別れ、輪廻転生の末に出会う。という物語がCDのブックレットに記載されています。大筋の展開は、サブカルチャー的ボーイミーツガールのようであり、『君の名は。』のようでもあります。

一音一音に己の全てを叩き付けたかのようなバンド演奏の凄絶な迫力と、大規模に導入されたオーケストラ演奏の荘厳さ。その全てがまるで目の前で鳴らされているかのように生々しく響きます。

とりわけ盛り上げる部分での轟音は凄まじいものがあり、騒々しいはずの暴力的なノイズがとにかく神々しいのです。荘厳なオーケストラを従えたMONOが奏でる咆哮は、聴き手の心を強烈に揺さぶります。ギターノイズとオーケストラ。日本的な抒情性を、ここまで破壊的に表現した芸術は稀有でしょう。

むき出しで生々しい感情の洪水を、壮大な物語へと昇華した音楽。

時に寄り添い、時に鼓舞し、時に希望の灯火になってくれる。貴方にとってそんな一枚になってくれるでしょう。


Hymn to the Immortal Wind

ポストロック史におけるMONOの立ち位置についてはこちらを。

それでは、また。

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