Miaouのアルバムについて。穏やかな叙情性と優しいグルーヴが紡ぐ、透明な揺らぎ

こんにちは。

Miaouは1999年に神奈川県で結成された3人組ロックバンドです。

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ジャンルとしては、ポストロックになるでしょう。

叙情的で味わい深い音響、エレクトロニカ的な優美さ、メロディアスな旋律等が魅力的です。

また、日本的なキャッチーさが漂っているのも大きな特徴です。

2021年9月現在、Miaouは4作のフルアルバムをリリースしています。
本記事では、その全てを見ていきます。

Miaouのアルバム一覧

これからリリース順にアルバムを見ていきますが、文字だけは分かりにくいと思って相関図を作成してみました。

では、本題に入りましょう。

(1st)Happiness

Miaou諸作の中では、最もポストロック的な音響感が漂っている作品です。

透明感に満ちているけど少し不安定で、
心地よいけれど緊張感があって、
そして、音響への無垢な探求心に満ちていて。


澄みやかに揺らぐエレクトリックギターのアルペジオ、
ドラムスとベースが紡ぐしなやかなビート感、
時にシューゲイザーの影響を感じさせるディレイを帯びつつ、
時に轟音ポストロック的な緩急をつけつつも、
キャッチーで叙情的なポストロックサウンドが展開していきます。

ポストロック的な要素は決して薄めずにJ-POP的なポップさを(ほとんどインストゥルメンタルではありますが)構築しているのが本作の個性を形作っています。

過剰な感情の要因だったり、或いは音響探求的なオタク的要素だったり、ポストロックは心地よいいびつさを特徴とする傾向にありますが、本作に限らずMiaouはバランス良くまとめている印象を受けます。

本格派であり、窓口が広くもある。とも言い換えることが出来るでしょう。

特に本作はシカゴ音響派的なニュアンスが他の作品より若干強く、不思議な透明感を帯びています。

マニアックなパーツでキャッチーなサウンドを作り上げた、そんな印象を受けるアルバムです。

(2nd)MAKE THESE THINGS ALRIGHT

心地よい響きはそのままに、柔らかなうねりが印象的なサウンドになっています。

ローズピアノ/シンセの暖かな音色や柔らかなプログラミングビートの存在感が目立つようになっているのが、前作からの大きな変化でしょう。

エレクトリックギターの優しくて奥深い響きのアルペジオ、
自然体で伸びやかなベースとドラムス/打ち込みのビート、
ゆったりとゆらめくローズピアノ/シンセ、
個々のパーツはシンプルです。しかし、組み合わせの妙によって豊潤な音響に仕上がっており、なだらかながらもメランコリックな空気感を生み出しています。

また、J-POP的なキャッチーさも発揮されており、聴きやすい雰囲気が漂っています。
ただ、ポストロック的要素とJ-POP的要素がエッジを利かせながら両立していた前作と比べると、両者が溶け合っているような雰囲気を本作はまとっています。

探求心と透明感を帯びつつも危うさを内在する音響は健在ですが、スマートで大人びたバランス感覚が、さらに強まっているとも言えるでしょう。

The Album LeafTristezaにも似た、リラックスした穏やかさがあって。
優美でしなやかなグルーヴがあって。
時には疾走感を見せることもあって。


エモーショナルながらもクールな、音響感覚を楽しまるアルバムと言えるでしょう。

(3rd)All Around Us

個人的には、Miaouで最も好きなアルバムです。

  1. エレクトロニカに接近していること
  2. 今までよりも「陽光的で暖かい」の気配が漂っていること

が特徴でしょう。

広大で生バンド的なグルーヴ感とエレクトリックギター/シンセ/ローズピアノ/電子音が織りなす壮麗さが混ざり合い、気品に満ちた滑らかなテクスチャーが優しくうねるようにしてアルバムが展開していきます。

バンドサウンドらしい有機的なグルーヴ感があって、だけど多彩でメランコリックなサウンドバリエーションもあって。
解放感に満ちた優美な音色がなだらかに広がっていき、また別の音色が柔らかな波のように迫ってきて。
そして、J-POP的なキャッチーさも寄り添うように優しく漂ってて。

過去作のような危うい探求感ではなく、ふくよかな響きのエモーショナルさや旋律が魅力の軸になっています。
暖かくて、木漏れ日のような優しい光を帯びていて、安心感があって。
いつも通りゆったりとしていますが、スケール感が大きいのも特徴でしょう。


ノスタルジックなだけでなく、現在を生きる者らしい確かな鼓動を感じるような。
儚さだけでなく、情緒的な安定が感じられるような。
清涼感だけでなく、深みのあるエモーショナルさが漂っているような。
瑞々しさを残しつつ精神的な成熟も感じられるのが大きな特徴でしょう。

優しい透明感としなやかな躍動感が揺らめく、地に足の着いた確かな包容力を感じさせるアルバムです。

(4th)The Day Will Come Before Long

エレクトロニカに接近した前作の路線はそのままに、物語的な真摯さが増している印象を受けます。

もちろん、明るい雰囲気や解放感も受け継いでいるのですが、ややコンシャスになっている印象を受けます。


真摯で知性的なニュアンスが若干強まっている、とも言えるかもしれません。

シンセ/ローズピアノ/エレクトロニカ的な細やかなビート等が生み出す幻想的で優雅なテクスチャー、
生バンドの体温感がもたらす、有機的でしなやかなグルーヴ。
J-POP的なメロディを忍ばせる楽曲の展開。

ギターの凛としつつもふくよかな響きは本作でも変わらず魅力の軸を担っていますが、アコースティックギターの存在感がやや強まっているようにも感じます。

なだらかで、牧歌的で、それでいて上品でもあって。
大人びたエモーショナルさもあって、毅然とした透明感もあって。
前作の情緒的な安定感は本作にも引き継がれており、頼りがいのような魅力を放っています。


強い眼差しにも似た、確固たる意志を感じさせるニュアンスを帯びているようにも感じます。

メランコリックな雰囲気があるのは間違いありませんが、焦点は現在とそこから見据える未来にあるのかもしれません。

タイトルはThe Day Will Come Before Long。
その日はいつかやってくる。

そう信じる強さを、心の底から湧き上がる本物の強さを、本作からは感じます。

主要参考サイト:Miaouのアルバムについて

http://www.miaoumusic.com/

https://ja.wikipedia.org/wiki/Miaou

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