Mary Lattimoreのアルバムについて。ハープが奏でる、幻想的な調べ


こんにちは。

Mary Lattimoreはフィラデルフィア州出身のハープ奏者です。

https://www.tinymixtapes.com/sites/default/files/imagecache/Article_Width/1805/mary-lattimore.jpg

ジャンルとしてはポスト・クラシカルやアンビント辺りになるのが特徴でしょうか。
ハープの音色を中心にして、穏やかで優美なサウンドを奏でています


2021年5月現在、Mary Lattimoreは4枚のフルアルバムをリリースしています。
本記事ではその全てを見ていきます。

Mary Lattimoreのアルバム一覧

これからリリース順にアルバムを見ていきますが、文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作成してみました。

では、本題に入りましょう。

(1st)The Withdrawing Room

ディレイを帯びた優しいハープの音色と背景音のようなエレクトロニクスからなる、穏やかでアンビエントな作品です。

25分近い曲、15分を超えた曲、そして最後に2分半の曲から構成されており、時間の流れがゆったりとしているのが特徴です。

シンプルながらも優しい響きを豊富に含んだサウンドで、大きな起伏もなくゆったりと優雅な時が流れていきます。
また、時折実験的になっていくのも特徴で、そういった意味ではいわゆるポスト・クラシカルとは少しトーンが異なる側面を持ち合わせているとも言えます。

ただ、優美なテクスチャーを如何なる時にも帯びているのも魅力であり、前衛的な響きの中にも高貴なたおやかさがしっかりと息づいています。


デビュー作らしい、作り手の感性が原石のまま奔放に迸っているような瑞々しさもまた素晴らしい点です。

ミニマルで非常にシンプルな作りではありますが、後の作品よりも素朴な魅力を備えています。

(2nd)At The Dam

ハープの響きを生かすようなサウンドになっているのが特徴です。
また、最も静謐かつアンビエントな作品でもあります。


濃密にディレイがかかったハープの音色からは気品と幻想性、さらには童話的な妖しさが漂っています。
ストイックにミニマルだった前作と違い、楽器が持つ豊潤を活かす響きになっているのも特徴でしょう。


権威あるフェローシップ(助成金)を得た彼女は、ハープとノートパソコンを片手に友人とアメリカを旅することにしたそうです。
そして、行く先々で曲を書き、レコーディングをしながら作り上げたのが本作At the Damなのだそうです。

言われてみると、親密な空気感と大自然的な静けさがゆったりと揺蕩っているようにも感じられます。
ただ、幻想性の中にもオーガニックな質感が潜んでいるのは事実で、そこには彼女が暮らすアメリカ大陸という土地の性質が影響しているのかもしれません。


大自然の夜に一人佇むような、深い孤独と微かな温もりを感じるアルバムです。

(3rd)Hundreds of Days

従来のハープメインサウンドはそのままに、エレクトロニクス・シンセの存在感が強まっているアルバムです。

基本的な路線は変わりありませんが、さらにふくよかでメロディアスな響きを湛えるようになっています。

爪弾かれるのは優雅でサウンドスケープで、その調べからは深い幻想性と高貴さがゆったりと広がっていきます。
メロディアスさが濃厚になったことでありとあらゆるエモーショナルさの奥行きも深くなり、感情表現が幅広くなっているのも特徴でしょう。

Mary Lattimoreは本作のレコーディング前に夏の2か月を15人のアーティストたち(詩人、ミュージシャン、画家等)と過ごしており、それが心を健やかな在り方に戻すノスタルジア・デトックスになったと述べています。

そこでの日々が影響を及ぼしたようで、本作Hundreds of Daysは穏やかな雰囲気になっています。それにギターやピアノなどの存在が感じられるようになったのも印象的です。

表現の幅も多彩になり、込められる感情も豊かになり、そしてノスタルジックで自然体になっています。

実験的なニュアンスではなく、もっと優しくて、心の奥まですっと馴染むような浸透性があって。
自然体の心の在り方を感じさせてくれるサウンドです。


馥郁とした響き、
涼やかな霧のような清浄さ、
そして、そっと寄り添うような物語性。

それらを備えた、雄弁で奥深いハープの調べを楽しめるアルバムと言えるでしょう。

(4th)Silver Ladders

前作よりもハープ以外の楽器が多く登場するようになり、高貴で芳醇な調べが揺蕩うアンビエントになっています。
表現の幅はさらに豊かになり、また幻想性も深く立ち込めるようになっています。

曲展開も豊富になり、気品に満ちたテクスチャーだけでなく、楽曲全体の起伏もしっかりしています。
ゆったりとしつつも高貴なサウンドが色彩を変えながら続いていきます。


本作Silver Laddersのプロデューサーは耽美系シューゲーザイザー代表格元SlowdiveのNeil Halsteadであることが大きく影響しているのでしょう。

森の濃霧のように立ち込めるディレイサウンドの奥底で、ギターやハープ、シンセの音色が溶け合うように揺蕩っています。
その様は神秘的と言う言葉がもっとも適切でしょう。

幻想的な音響空間は優しさや柔らかさを失わぬまま時に聖性を湛えたウォール・オブ・サウンドを流すことさえあり、静謐ながらもドラマティックなニュアンスを本作に取り入れています。

たおやかで優しく、時には酷薄さをふわりと滲ませ、囁き声で語られるおとぎ話のような静謐な妖しさもあって。

気高さの中にも微かに妖しさをにじませた、幻想的な響きの揺蕩いを楽しめるアルバムです。

主要参考サイト:Mary Lattimoreのアルバムについて。

https://marylattimoreharpist.bandcamp.com/music

https://en.wikipedia.org/wiki/Mary_Lattimore

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