こんにちは。
Mae(メイ)はバージニア州出身のロックバンドです。
2003年にデビューした彼等はメロディアスなエモサウンドを特徴にしています。
そう。ポップなんです。
Cap’n Jazzのように暴走寸前の初期衝動やざらついたサウンドはありませんが、きらめくようなポップネスと優しいメロディアスさがあります。
そんな彼等の押しも押されぬ代表作が2005年リリースのThe Everglowです。
The Everglowの特徴 Maeが紡ぐ絵本のような物語
全体的な特徴と魅力
本作のセールスポイントは何と言っても、ストーリー性が強いことです。
まず、CDのブックレットが物語仕立てになっています。
歌詞と絵が載せられているのですが、可愛らしい絵本調になっています。素敵です。
表紙では小さな男の子が大きな門を不安げに見つめていて、それ以降のページでは男の子の孤独な冒険が続いていきます。
そんなキュートな絵柄の後ろでは、バンドサウンドが孤独な冒険を描き出しています。
それも決して刺々しくはなく、優しい絵本調の世界にマッチしています。
それがノスタルジックなピュアさを生み出しています。
エモ的な瑞々しさと無垢な冒険性が見事にハマり、聴き手の心の綺麗な部分に潜む鐘を絶えることなく打ち鳴らしてきます。
孤独。不安。喜び。希望。
どこまでも真っすぐで混じり気のない感情をさらに蒸留して創られたかのような、ひたすらに伸びやかなサウンドです。
最大のクライマックスは冒頭に
The Everglow、個人的にはどこを切り取っても素晴らしいのですが、特に冒頭から2曲目Someone Else’s Armが本当に素晴らしいのです。
最初のIntro、雰囲気があって良いです。
しかし、続く1曲目We’re So Far Awayも大変良いのです。
ピアノの弾き語りで世界中のファンと出会えた喜びや、遠く離れたところにいる寂しさを歌っています。
エモかと思ったらいきなりしっとりピアノ。ギャップもたまりません。
そして、1曲目の後、流れ込むように入り込むのがSomeone Else’s Armです。
ギターが、ベースが、ドラムが、それぞれ重厚な存在感を放ちます。
ミドルテンポでメロディアスで壮大。
そして、完璧な完成度を誇っています。
そのうえ、エモ的なひたむきな感情も一切失われていないのです。
これは鮮烈と言わざるを得ません。
しかしながら、その歌詞は暗く、孤独や虚しさを率直に吐露しています。
特にサビではI Just Wanna Wake Up In Someone Else’s Armというフレーズを何度も強調しています。
I Just Wanna Wake Up In Someone Else’s Arm
僕は誰かの腕の中で目覚めたいだけ。
これほど率直で美しい叫びが、他にあるでしょうか。
そんな言葉を最高に美しいメロディに乗せて、何度も歌うなんて。
実に明け透けで、それをこんなにポップで壮大なエモに仕上げるなんて。
あまりにも美しい一曲だと思います。
まとめ
The Everglowにはアルバムの最後にEpilogueがあります。
I Hope You Enjoyed Your Journey.Good Night.
という言葉で締めくくられます。
確かにアルバムを聞き終えると、ちょっとした達成感があるような気がします。
聞き終えるたびに、一回り強くなれたら良いんですけれどね。
それでは。
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