Lightning Boltのアルバムについて。喧嘩上等、ノイズ狂騒ロックデュオ

こんにちは。

Lightning Boltは1994年にロードアイランド州で結成されたドラムスとベースによる二人組ユニットです。

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ジャンルとしてはノイズロック/マスロック/ポストロックあたりになるのでしょうか。
バッキバキに歪んで暴走しまくるベースと荒れ狂うドラミングがぶつかり合い、嵐のように畳みかけてくるサウンドが魅力的です。

2021年9月現在、Lightning Boltは7作のアルバムをリリースしています。
本記事では、その全てを見ていきます。

Lightning Boltのアルバム一覧

文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作成してみました。

あくまでも個人的な印象にしかすぎませんが。

それでは、本題に入りましょう。

(1st)Lightning Bolt

ローファイで初期衝動的な匂いが詰まっている作品です。

ミニマルで、ノイズにまみれて、まるでJBのようなワンフレーズの連続。
粗くてインダストリアルな質感からは、ぶっ壊れてもなお稼働しようとするマシーンのような不穏さを感じます。

ノイジーに歪みまくったベースの旋律、
豊富すぎる手数で打音を吐き出し続けるドラムス、
両者のぶつかり合いがハイカロリー/ハイエナジーで暴走寸前オーバードライブサウンドを創り出しています。


耳をつんざくようなノイズを生み出して暴力的なサウンドスケープを構築してはいるものの、音圧やビートを分かりやすい緩急を生み出す大爆発させるように開放することはありません。

一定のビート感を保ちながらアグレッシブな熱量を放ち続け、じわじわと聴き手の心に侵食するようなドロドロ感が魅力的に演出されています。

また、時に活き活きとした疾走感を見せるのも絶妙に効いています。
のたうつようなノイズの蠢きはプリミティブな高揚感をもたらし、トランシーな感覚を与えてくれます。

後の作品と比べて粗さが目立ちますがLightning Boltの原点と言えるのは間違いなく、原点だからこその魅力を秘めているアルバムです。

(2nd)Ride the Skies

ヘヴィで暴力的なノイズが、狂気的に吹き荒れている作品です。

こちらも初期衝動全開、心のままに爆進していく剥き出しのノイズ・グルーヴが鬼気迫る迫力で続いてきます。

ノイジーでトランシー、無軌道に蹂躙していく暴力の自由奔放が炸裂しています。

奇々怪々でエフェクティブなサウンドを披露したかと思えば、ぶっとんだ音塊を乱射しまくるベース。
聴き手を圧倒する乱打戦を繰り広げる暴発するドラムス。
本来はリズムセクションである両者の殴り合いはもはや楽曲の魅力の全てとなっています。

ライブ録音らしい生の粗々しさをドロドロに煮詰め、暴力的な疾走感で駆け抜けていきます。
もちろん、不穏なミニマルサウンドを展開することによって緩急をつけることもありますが、魅力の主軸になっているのは耳をつんざくようなノイズ、絶えることのない破壊的な恍惚です。


サイケデリックで、極彩色で。
破壊的で、再創造的で。
とめどなく溢れ出す音塊の濁流には、全てを飲み込み拡大していくような勢いがあります。

(3rd)Wonderful Rainbow

Lightning Boltのぶっ飛んだ魅力が、分かりやすく表れているアルバムでしょう。

ただ、それは単純にポップであったり優美であったりというわけではもちろんなく、カオティックさが素直に表れているという風に捉えるべきでしょう。

暴風の如き疾走感でノンストップに突き進み、破壊力全開のノイズが全てを薙ぎ倒すような圧力で吹き荒れています。

過去作よりもやや強めの存在感を感じさせるボーカル、
バッキバキに歪ませた起伏の激しいベース、
乱反射するみたいに複雑怪奇な凄腕ドラムス、
笑顔で殴り合っているようなハイテンションさで繰り出されるカオスな多幸感は、中毒的な味わいを秘めています。

そして、同じリフがとめどなく繰り返されることで陶酔的な恍惚感を引き起こすミニマルな側面も引き起こしたと思えば、ノイズまみれのトロピカル・ポップみたいになったり、インディーロック的な匂いを感じさせたり。
金太郎飴的なサウンドが続いてる一方で、どれもこれも多彩な魅力を秘めていて。

ドロドロとしたうねりも、カオティックなバーストも、トランシーなポップも。
捻くれているのに駆け抜けるような疾走感があって、一筋縄ではいかない迫力がみなぎっています。


荒々しいながらもキャッチーな魅力を秘めたハードコア・アルバムと言えるでしょう。

(4th)Hypermagic Mountain

相変わらずカオスな音塊の濁流を楽しめます。

前作の延長線上にある、濃密でサイケデリックなノイズ・ポップが繰り広げられています。
その分かりやすさを踏襲しつつ、やはりコントロール不可能な破壊の潮も絶えることなく吹き荒れています。


前作同様若干多少初期よりは強めの存在感を放つボーカル、
狂気じみた歪みのベース、
テクニカルでハードコアなドラムス。
ベースとドラムスの真剣勝負のぶつかり合い、アンダーグラウンドでハイテンション、妖しい煙たさと跳ねるような高揚感、一貫して凶悪な疾走感を落とさぬまま、アルバムは始まり終わっていきます。

ノイズ・トランシーな陶酔感が絶えず続き、ハードコアな荒々しさをアッパーなうねりを巻き起こしています。

バーストし続けるノイズ・アート、とも言えるハイで前衛的なサウンドが魅力的です。
もちろん、ポップさも変わらず。

全てを破壊し尽すような、極彩色ハイテンション・ノイズなアルバムです。

(5th)Earthly Delights

本作もまた、どこを切ってもLightning Bolt節がフルスロットルで発揮されている作品です。

強いて言うならハードコア的な魅力をより分かりやすく表現されているように感じます。

今までよりもキメが効果的に使われていたり、アンダーグラウンドなアグレッシブさが煮え立つような迫力を放っていたり。

基本的には今までのLightning Boltと変わらぬ魅力なのですが、「ここを強調するとカッコいいな」というポイントをバシっと抑えている印象を受けます。


そのせいか、MudhoneyやSoundgardenのようなグランジ勢のような雰囲気を時々感じます。

強烈に歪ませた凶悪なベース、
相変わらずの千手観音ドラムス。
ノイジーで、凶悪で、骨太で、
絶えることのない砂嵐のようなトランシーさもあって、それでいて楽曲としての起承転結もしっかりあって。

凶悪さはまさしくLightning Bolt、そう言いたくなるストレートな魅力を秘めたアルバムです。

(6th)Fantasy Empire

個人的には、Lightning Boltで最も好きな作品です。

ノイジーなアグレッシブさはそのままに、楽曲としての体裁を整えつつあるという印象を受けます。
何でも本作はバンド史上初の完全スタジオ録音アルバムらしく、「ぶっ飛んだカオティックバンド」として洗練されています。


もちろん、それは小綺麗になったということではなく解像度が上がっており、その最凶っぷりを余すところ見せてくれるということを意味します。

ドラムは相変わらず楽器をぶん殴ってんのかコイツはというバイオレンスさですし、ベースはゴリゴリに歪ませたうえにノイジーな圧力全開、ぶっきらぼうなボーカルのやさぐれ感も魅力的です。

ミニマルな局面もないことはないですが起承転結がしっかりしておりハードコアなロックバンドなんだな、という印象を受けます。

そして、起承転結がしっかりとしているということは、それだけ聴き手を上手に揺さぶることができていることであます。

ヘヴィでサイケデリックな狂騒曲、というのが本作の印象ですが、その濁流のような勢いをどうにかこうにかコントロールしてどうにかこうにか多彩なサウンドバリエーションに変化させています。

その暴走寸前の衝動をぎりぎりでコース内に押しとどめながら突き進んでいく血肉沸き躍る疾走感が、本作の魅力でしょう。

(7th)Sonic Citadel

Lightning Boltで最もポップなのですが、カオティックな破壊力は全く変わりません。

ある意味、ノイジーなブルースというべきなのでしょうか。
起承転結をしっかり見せつつ、サイケデリックで凶悪な存在力を解像度の高いサウンドで聴かせてくれます。


ポップなメロディが印象的になっているのも特徴ですがメロディアスになっていると単純に言い切れるものではなく、吐き捨てるようなやさぐれっぷりが魅力となっています。

バッキバキに歪んだベース、
果てしない手数のドラムス、
両者の無差別級的乱打戦が、姿かたちを変えながらアルバムの始まりから終わりまでハイボルテージで続いています。

ハードコアで、ドロドロと煮えたぎるような熱量があって、それを効果的に魅せる手綱もしっかり握られていて。
ヒリヒリするような、ハラハラするような、ドキドキするような、アンダーグラウンドな煙たさ満点のエンターテイメントが繰り広げられています。

或いはロデオ的、マタドール的とも言えるのかもしれません。
暴走している初期衝動を華麗に操っているさまは最凶にして圧巻、Lighitng Boltが辿り着いた極致の一つかもしれません。


Lightning Boltの入り口としても最適のアルバムかもしれません。

主要参考サイト

https://lightningbolt.bandcamp.com/music

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