古墳紀行(東京都府中市編):多摩の有力者たちが残した痕跡を探しに

こんにちは。

古墳とは土を高く持ったお墓のことで、主に3世紀中頃から7世紀中頃に作られていた古い墳墓です。

日本全国に約16万も現存しており、これはコンビニの数のおよそ3倍になるのだとか。

卑弥呼の墓かも知れないだとか○○天皇の墓だとか超大物の古墳ばかりが話題になっていますが、歴史に名を残すことのなかった豪族たちの古墳も日本各地に多く残されており、そこからも地域の歴史の姿を知ることができます。

今回はかつて武蔵国府の中心であった東京都府中市の古墳を見ていきました。

いざ、古墳紀行(東京都府中市)へ

武蔵府中熊野神社古墳

武蔵府中熊野神社古墳は文字通り、武蔵府中熊野神社の敷地内にある古墳です。

せっかくなので神社も見ておきましょう。

江戸初期の創建と伝えられているそうです。

古墳の近く・上に神社が建つということは一般的な印象があります。
ただ、江戸時代はずいぶん時代が開いています。珍しいような気もするのですが、どうなんでしょうか。

本題に入りましょう。
古墳は本殿のすぐ後ろにありました。

建造年代は7世紀後半、つまり飛鳥時代です。
古墳としたかなり晩期の作ということになります。

御覧の通り、武蔵府中熊野神社古墳のセールスポイントは復元されているということでしょう。

建造された当時の姿を、1000年以上建った今でも目にすることができます。


上円下方墳という珍しい形をしており、これは中国の宇宙観(天はドーム状、大地は四方型)を反映しているものと考えられているそうです。

(これは鳥居ですので、現代の意図が込められたものでしょう)


また、すぐ近くには武蔵府中熊野神社古墳に関する資料館があり、発掘物やそのレプリカを見ることができます。

こちらは刀の鞘尻のレプリカです。
陰陽五行や七曜を表しており、中国の思想が色濃く反映されているとのこと。


7世紀後半という古い建造年代が中国の思想を強く取り入れている要因なのでしょうか……。

最後に、興味深い展示を一つ。

6世紀から8世紀にかけての古墳や遺跡は川沿いに分布しているそうです。

多摩地域のような丘陵地では川が交通の要所であり、人やモノが集う場所であったのでしょう。

御嶽塚古墳

御嶽塚古墳は6~7世紀に建てられた古墳でしたが、江渡時代に入ると山岳信仰の対象と変わっていきました。
その後の調査により、古墳であると発覚して現代にいたります。

そして、現在では駅前の御岳山公園の一部となっています。

道路に沿って淵を沿って淵を削られており、上部では子供たちが駆け回っています。

貴人を祀るというかつての意味合いは失われているかもしれませんが、自然に現代の生活に根付いている姿のようにも見えます。

また、丘の上には古びた石祀が残されています。
かなりの年代物に見えますが、刻まれているのは安政の文字。
つまり、古墳が建てられた時代より1000年以上後の話です。

古墳が建てられたときの意味はかなり早い段階で失われていたのかもしれませんが、1000年以上地域の人々にとって愛される存在であり続けたのでしょう。

高倉塚古墳

高倉塚古墳は6世紀前半に建造されたと考えられている円墳です。

周辺の戸建て住宅を上回るサイズではあるものの、周囲の風景に違和感なく馴染んでいます。

四方は周辺の住宅に食い込まれる形で潰されています。
古墳の建設者が見たら苦虫を噛み潰したような顔をするかもしれませんが、良くも悪くも風景に溶け込んでいます。


高倉塚古墳は高台にあります。そして、視界の先には多摩川が見えました。
今でこそ住宅しか見えませんが、1300年前は川に向けて広がる集落が一望できたのかもしれません。


ちなみに。

こちらも中世以降は信仰の対象になっていたようです。

宗教的な意味合いも含んで建てられた建築物が、時代が建つにつれ他の宗教的な意味合いを含んでいくというのは古代エジプトでも見られる例です。

当時の意味は失われていますが、どの時代の人々もそれぞれのやり方で建築物を愛していましたようです。

古墳紀行(東京都府中市編):結びに変えて

今回は3か所の古墳を巡りましたが、対比をすると意義深いと思いました。

当時の姿を徹底的に復元した武蔵府中熊野神社古墳、
時代の共に姿を変えてきた在り様をそのまま見せる御嶽塚古墳と高倉塚古墳、
どちらが正しい過去の保存の仕方なのでしょうか。

きっと、答えはたくさんあると思います。

古墳紀行(東京都府中市編):行き方

武蔵府中熊野神社古墳

御嶽塚古墳

高倉塚古墳

古墳紀行(東京都府中市編):主要参考サイト

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E8%94%B5%E5%BA%9C%E4%B8%AD%E7%86%8A%E9%87%8E%E7%A5%9E%E7%A4%BE%E5%8F%A4%E5%A2%B3

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/smph/bunka/bunka/maizo/kumanokohun.html

http://www.portaltokyo.com/guide_tama/contents/c29042mitake.htm

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/kirari/sagasu/theme/miryoku/takakuradukakofun.html

https://kofun.info/kofun/420

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