日常の風景とゆるやかな物語 百景/おくりもの


こんにちは。

百景は大阪出身の三人組のインストゥルメンタルバンドです。

http://hyakkei.starfree.jp/about/images/about_photo.png

彼等が演奏するサウンドはポストロックというカテゴライズが穏当かと思います。
しかし、いわゆるポストロック・ヒーロー達にはない魅力が百景にはあります。

本作おくりものはそんな彼等の2ndアルバムです。

おくりもの 百景が描く日常を感じさせるゆるやかさ

本作にはTortoiseやGodspeed You! Black Emperorのような実験精神さはありません。
MogwaiやMonoのような轟音もありません。
ToeやExplosions In The Skyのような激情もありません。

じゃあ、何があるのか? 

日常に寄り添うような穏やかさです。

アルバムと各曲のタイトルを見てみると雰囲気を掴みやすいと思います。

  • おくりもの
  • ほんをよむ
  • まほうのじゅうたん
  • くうちゅうさんぽ
  • うろこぐも
  • まちのあかり
  • うみべのとしょかん

一部だけ抜粋しました。

日常の風景を切り取ったようなタイトルと漢字を排除した結果醸し出されているゆるやかな雰囲気。
毎日の些細な瞬間を変にロマンティックに脚色せず、あるがままを自然体描いた物語が奏でられています。

ギター、ベース、ドラムスのシンプルな構成は耳に優しくどこかで聞いたことがある様な懐かしい響きを編み上げ、等身大のサウンドスケープが映し出されていきます。
それは宝石のようにきらめくわけではなく、大山脈のように壮大でもなく、幻想譚の姫のように美しいわけでもありません。
でも、傍にあるととても安心します。

刺激的な何かや画期的な何かがあるわけでなく、ただひたすらに耳と心にそっと馴染む音楽。
通勤や通学の途中にふと足を止めて何気ない景色を綺麗だと思った瞬間にも似た、ぼんやりと心が動かされる感覚。
アルバムが終わり始まるまでの50分間、そんな景色が浮かんでは消えていきます。

ただここにある、とても大切な何か。
『おくりもの』は、その姿を思い出させてくれる素敵なものがたりです。

終わりに 百景がくれた『おくりもの』の意味

ポップミュージックはその規模やジャンルを問わず、エモーショナルであることが要求されるかと思います。

僕自身もそんな音楽が好きです。
でも、そんな感情過多な世界に浸っていては、いつかきっと大切な何かを見失ってしまうんじゃないか。
そんな気がしました。

それでは。

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