『平城京のごみ図鑑』木簡などから描き出された、1300年前の溢れんばかりに活き活きとした日常。



こんにちは。

今回は奈良時代に関する本『平城京のごみ図鑑』です。

平城京で発掘されたごみを通して、あまりにも生活感あふれる彼等の日々について紹介している一冊です。


とても面白い本でした。

『平城京のごみ図鑑』 奈良時代に生きる人々の生活に迫る一冊

本冊は基本的には子供でも楽しめるように配慮をされたものであるため、難しい論述はありません。

丁寧に、コミカルに、ごみから見えてくる人々の活き活きとした生活を紹介しています。
しかも図説や写真で。


これが、本当に、面白いんです。

以下、個人的に面白かったところをピックアップします。

大切にされていたもの

現代ほどモノが豊かにあった時代ではありません。

奈良時代は今よりも一つ一つのものを大事にしていたのでしょう。
日々使う物なら愛着も沸くことでしょうし、なおさら丁寧に使ったはずです。

かかとがすり減るまで使われた木製の下駄とか、

奈良文化財研究所のブログより

折れそうになるまで使われた砥石とか、
土器で出来た硯とか、

当時の人の息遣いが感じられるようでワクワクします。

それぞれの道具は、当時の人々にとってどんな存在だったんでしょうか。

潰された古墳

平城京造営にあたって潰されてしまった古墳もあるようです。
壊れた埴輪などが地面を慣らす土とともに見つかっています。


平城京造営時から300年ほど前の古墳だったそうです。
となると、倭の五王の時代ですね。

少なくとも建前としては、天皇家が治めていた時代ではあるのですが。
もう、300年前のことなど大半のことは忘れ去られていたのでしょうね…。

しかし、その後にあたる奈良時代には、古墳を破壊してその石材等を使って寺院を立てることを禁じる勅も出ています。
過去の偉大な人物を祀っていた過去の遺物を再利用するあたり、古代エジプトの遺跡と同じですね。興味深いです。

文書の書かれた木簡

平城京といえば木簡でしょう。
1300年前のお役人達が残した些細な記録からは、彼等の生活が垣間見えて非常に面白いです。

ブラック過ぎる勤務実態

お役人達の勤務評定も残されています。
こういったものが残されていること自体、現代の我々社会と似たところもあり興味深いのです。
しかし、何と言っても勤務実態が衝撃的です。

ここで取り上げられているのは、出雲臣安麻呂さんです。
平城京有数の大貴族、長屋王に努める京都出身の29歳。
年間勤務日320日、うち夜勤185日。

OMG…WTF…。

「飯がまずい」

配食を担当する部門に対して、配給食のおかずがまずいという要望している木簡も残されています。
「常食菜甚悪」(常食の菜、甚だ悪し)
はなはだ、ってすごいです。
よっぽど美味しくなかったんでしょう。


というか、この木簡、飯の要望に関する文字だけくっきり読めるそうです。
飯の恨みは1300年経っても消えません。気を付けましょう。

他にも色々な要望が残されています。
他にも配給に塩がないことへの怒りとか、
ワカメスープを作るのに使いたいからイワシをよこせとか、

何だかお腹が減ってくる要望ばかりです。

「死罪になっても構いませんので……」

「頓首死罪」、丁寧に書く手紙の決まり文句だったそうです。
現代日本における「ご多忙のなか大変恐縮ですが」みたいなものでしょうか。

だとしたら、それだけでもかなりのインパクトです。
そんなノリで「死罪になっても構いませんので」って普通言えますのか?
…まあ、この木簡最大の衝撃はこの後に続きます。


「酒二升」

ええ。酒の無心です。

当時は酒は儀式などに欠かせない宗教的な意味合いを持つものであり、役所が管理をしていました。
この木簡は、その部署に酒を要求をしているのです。

そんなに飲みたかったんでしょうか。

小便禁止

酒を飲んだらトイレに行きたくなるのが人間です。
というわけで、小便禁止の札なども見つかっているようです。

「此処不得小便」(ここで小便をするな)

今も昔も変わらない注意文ですね。

糞便

もちろん糞便も発掘されています。

寄生虫の状況から淡水魚と野菜が多く食べられていたことが分かるなど、なかなか興味深いですね。

ハエのサナギも沢山見つかったらしいですよ。

そんなこと想像つくし、別に聞きたくないです……。

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