Explosions In The Skyについて 名盤しかない全アルバムをレビューする。


こんにちは。

Explosions In The Skyはテキサス出身のポストロックバンドです。
ポストロック界隈の名門レーベルTemporary Residenceの看板を背負うバンドであり、最も影響力を持つインストゥルメンタルバンドの一角を担っています。

https://www.esmadrid.com/sites/default/files/styles/content_type_full/public/eventos/eventos/explosions_in_the_sky_2.jpg?itok=9fj4-lTR

その特徴はMogwai直系の轟音ポストロックサウンドと言えるでしょう。
ただ、本家とは違って、緩急の差ではなく瑞々しいきらめきとバーストの美しさを強調しています。


ポストMogwai勢の中では一番強い影響力を持ち、ポストExplosions In The Skyとも言えるバンドも数多く存在します。

おすすめしたいExplosions In The Skyのアルバム/名盤を見てみる。


そんな彼等の全アルバムの特徴をまとめてみました。

ただ、言葉だけでは分かりにくいと思います。各アルバムの関係を図にしてみました。

では、リリース順に各アルバムをちょっとだけ語ります。

How Strange,Innocence

彼等の1stアルバムです。
2000年にCD-R300枚及びLP180枚限定リリースされています。
後にブレイクを果たし、多くのファンからリクエストを受けて2005年にTemporary residenceが再発しています。

印象的な特徴は、デビュー作にしばしば伴う重苦しさです。
ただ、それは作品のすべてを覆う雷雲のようなものでありません。
後のEITSに繋がる美しさや瑞々しいきらびやかさも、アルバムにぎっしりと詰め込まれています。

また、ドラムスの存在感が控えめなことも特徴かもしれません。
後のアルバムよりも穏やかな曲調も印象的ですし、歪んだギターとドラムズが爆発していく時の感情の凄みも瞠目すべき点です。

一方、後の作品ほどの強烈なストーリー性を感じることはなく、アレンジもとても非常に粗削りです。

貫録漂う後のアルバムとは全く異なる、不安げに揺れる繊細さとその奥に潜む凶暴さが感じられる一枚です。

Those Who Tell The Truth Shall Die,Those Who Tell The Truth Shall Live Forever

2ndアルバムであり、Temporary Residenceからの初リリースアルバムです。

EITS全作において、最も重苦しいアルバムです。
下記の2点が非常にそんなアルバム全体に漂う苦悩を象徴しています。

  • 夜空の只中で女神に撃ち落される飛行機というアルバムジャケット
  • 意味深なアルバムタイトル(真実を口にする者は死ぬであろう、真実を口にするものは永遠に生きるであろう)

生きることへの問いかけ。死ぬことの意味。
どんな懊悩から吐き出されたテーマなのでしょうか。

他のアルバムのようなきらびやかな希望は無く、 EITS特有の水晶のようにきらめくギターサウンドを横糸に、文学的な苦悩を縦糸にして物語は紡がれていきます。

『静』パートでの繊細さとは対照的に、『動』のバーストする破壊力は他のアルバムを上回る衝動で解き放たれ、壮絶な波動となって聴き手を飲み込みます。

硝子細工のような『静』とその全てを飲み込むような濁流の『動』。
内省的な感情を芸術的に描き切った作品だと思います。

The Earth Is Not The Cold Dead Place

EITSの名を広く知らしめることになった名作でしょう。

前作までの重苦しさが立ち消えているのが特徴です。

『地球は冷たく死んだ場所ではない』というタイトルが書かれたジャケットアートと、カバーをめくると『何故なら貴方が聴いてくれるのだから』と書かれていることが非常に象徴的です。

音楽そのものも、瑞々しい光が溢れそうに詰め込まれたアルバムと言える仕上がりになっています。
EITS節とも言える水晶のように澄み切ったギターアルペジオと希望に満ちたのびやかなバーストを組み合わせ、文学的な物語を紡ぐというEITS節が完璧に完成しています。

本作は透明度の高さが魅力です。
アルバム全体を通して激しさが控えめである一方、『静』の美しさは目を見張るものがあります。
また、『動』の部分も全てを覆いつくす轟音というよりも目も眩むほどの眩さというような印象を受けます。



EITSで最も美しいアルバムと言えるでしょう。

All Of a Sudden, I Miss Everyone

前作The Earth Is Not The Cold Dead Placeが美しさに重きを置いていたとすれば、本作All Of a Sudden, I Miss Everyoneはエモーショナルなエネルギーが爆発しているアルバムです。

本作もジャケットアートがアルバムの特徴を非常に良く表現しています。
暗闇の荒れ狂う海を小舟に乗って進む人物と、彼が掲げる力強い灯。
まさしく困難に打ち勝とうとする力強い物語です。

ただし、EITSらしい透明度の高い美しさはく少しも崩れていません。
そして、その宝石のような美の奥で脈打っているのは、険しい道のりへの絶望とそを克己するような奮い立つようなエモーショナルさです。
その奔流感たるや、まるで噴火前のマグマを思わせる熱量があります。

『動』での爆発もきらびやかな瑞々しさを失わぬまま、その爆発力は全アルバムで最も強烈です。
美しき感情の咆哮とでも言えば良いのでしょうか。
己の全てをぶつけるかのような生々しい美しさがあります。

また、瑞々しいけれど大きな熱量を秘めています。
それは幼い少年が世界と対峙する物語であるかのようです。
感受性豊かな少年の成長物語としての特徴を持つアルバムと言えるかもしれません。

Take Care,Take Care,Take Care

前々作と前作の延長線上にあたるアルバムです。
高純度の美しさとエモーショナルさによって描かれる文学性は変わらず素晴らしいのですが、本作には過去2作よりも知性的な雰囲気が強めに感じられます。

ドラムスを中心として全体的にしなやかな曲調になっていることや、コーラスワークなどの新しいレイヤーもサウンドに取り込んでいることなどもあり、過去作よりも解放感を覚える仕上がりになっています。
一皮むけたような軽やかさを感じますね。

幾重にも積み上げられたギター、時折のベース。そして、司令塔のように知的でしなやかなドラムス。

曲が進むにつれて、しなやかなリズムに合わせて瑞々しい様々な感情が積み重ねられていきます。徐々にクライマックスへと向かい、流れるように力強さを増していき、ついに爆発する過程は流麗です。

霧深い森をさ迷っているうちに苔むした石畳を見つけ歩いていると、やがて荘厳な城に出会うように幻想的でもあり、そして感動的です。

最も叙情的なアルバムと言えるでしょう。

The Wilderness

シンセや打ち込みのビートを大胆に取り入れた異色作です。
きらびやかなギターサウンドを中心にしたバンド的躍動感は健在です。
しかし、水晶のような透き通る美しさから淡い色や光が混ざり合いながら調和しているような美しさへと変化しています。


また、『動』の部分も爆発するような感じではなく、計算されたカタルシスをシンフォニックに描いているような気品が感じられます。
ノイズやハープなどを導入したり、実験的な楽曲もあったり、とにかく今までのEITSとは明確にスタイルが異なります。
盛り上げるときもロック的な手法ではなく、もっとなだらかに高みに達する感じですね。

そして、ただお上品になったわけではないのが本作の魅力です。
荒々しい野性味がそんな美しさの奥で蠢動しているのも、どこか危険な魅力を感じさせます。
不穏とも取られかねないような、ひりひりした緊張感がEITS的美しさと表裏一体の関係で存在しています。

バンドとしての在り方という意味でも、音楽的な意味でも、冒険に出た作品です。

【最後に】 Explosions In The Sky どのアルバムも名盤感あります 。おすすめです。

非常に私的な印象なんですが、Explosions In The Sky、どのアルバムも大好きです。
どれも大好きなんです。

それでは。

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