音だけで紡がれる、破壊と再生の物語 Explosions in the Sky / All of Sudden I miss Everyone

Explosions in the Skyはアメリカ出身のバンドです。
ポストロックと言われるジャンルにカテゴライズされることが多いですね。

ロックバンド的編成で曲を奏でますが、ボーカルは存在しません。

しかし、音楽の本質は『音』ということを思い起こさせてくれる美しい激情を、彼等は奏でます。

さて、本作のお話です。その魅力はAll of Sudden, I miss Everyoneというタイトルと夜の海で灯りをともす男というジャケットアートに象徴されています。


All of a Sudden I Miss Everyone

文学的なエモーショナルさが彼等の特徴でしょう。

冒頭から生々しい激情を吐き出すギターに心が突き動かされます。

しかも、はちきれんばかりに詰め込まれた感性は瑞々しい透明感を放っています。悲しみ、喜び、苦しみ、普遍的で尊い感情を生きた人間からそのまま削り出したかのような輝かしさです。

そして、とにかく壮大です。世界の絶望に飲まれず立ち向かう英雄譚のごとき気高さが、聴く者を惹きつけます。

少年的、といえばいいのでしょうか。

強い感受性を持つ少年から見た世界を、音の物語に昇華したかのようです。目に映る全てが新鮮で、美しく、醜悪で、禍々しい。時に苦悩し、時に歓喜し、それでも真っ直ぐな眼差しで世界と対峙する

絶望の底に突き落とされそうになっても、まばゆい希望を決して失わない。

そんな紆余曲折の言葉なき物語を経て、眩い光の中に新たな一歩を踏み出すような希望に満ちた音色の高鳴りと共にアルバムは終わります。

世界と少年の、破壊と再生の物語。

ポストロックの歴史を俯瞰したうえでのEITSの立ち位置についてはこちらを。

それでは、また。

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