Electric Presidentの全アルバムについて。 男性的な繊細さがいとおしいインディーロック・エレクトロニカ



こんにちは。

Electric Presidentはフロリダ出身のデュオ・ユニットです。

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Death Cab For Cutie的な繊細USインディーロックにエレクトロニカ直系の幻想的カラフルさを載せて、心惹きつける郷愁を奏でています。

そんな彼等は2019年7月現在、Morr Musicなどから3枚のアルバムをリリースしています。

そんなアルバムの特徴をグラフにしてみました。

では、各アルバムについて語っていきます。

Electric Presidentの全アルバムについて どれもおすすめ

(1st)Electric President

Alex21歳、Ben23歳の時に作られた瑞々しい感受性が染み渡る一枚です。

デビュー作らしい勢いを、センチメンタルで軽やかなポップネスへと昇華しています。素晴らしいです。

キュートに跳ね回るエレクトロニカ的ビート、
アコースティックな質感のバンド・サウンド、
様々な楽器や打ち込みを精密に組み合わせたパステル調のサウンドレイヤー、
透き通ったBenの歌声は棚引いて、柔らかな旋律となって広がっていきます。
感傷的で、遊び心もあって、大自然の匂いもして、ポップもあって。
天真爛漫な無垢さとオーガニックな大地の匂い。
テンポが速いわけではないのですが、とにかく軽やかさと耳触りの良さを感じさせます。

アルバム全編から漂う大地の匂いは、BenのソロでもあるRadical Faceに通じるものがあります。
また、自然への郷愁も面白ポイントです。
日本で暮らす者にとっては共感できるところもあるし、異なる自然観への憧れを楽しめるところもあります。

でも、このアルバムの魅力はそれだけじゃありません。
時にはギターを歪ませ、ロック的なダイナミズムと共に感情を濁流のように吐き出すこともあります。

あらゆる感情が瑞々しいのが本作最大の魅力でしょう。
そして、インディー・ミュージック最大の魅力とは、まさしくこの瑞々しさではないでしょうか。

(2nd)Sleep Well

「夢と悪夢」というテーマに沿って作られたアルバムです。

テーマどおりというべきか、サウンドの質感がしっとりとしているのが特徴的です。
やや物憂げになっているのも注目ポイントです。

アコースティックな質感は後ろに下がり、エレクトリックギター・アルペジオの物憂い響きが存在感を見せています。
そっと重ねられる様々な音色はまるで絹地のような滑らかさを湛えています。
ひたすらに軽やかだった前作と違い、ビートは濡れた艶やかさを伴う重たさを曲に刻みます。
ボーカルは相変わらず優しげで美しいですが、苦悩を抱え前面に出る回数が増えています。

文学的な華奢さが増しながらも、同時にロック的ダイナミズムも増しているのです。
非常にエモーショナル、とも言い換えられます。

なめらかに揺蕩うようなサウンド・テクスチャーと白い煙のように立ち込めるボーカルの組み合わせは時に不穏的・苦悩的であり、時に桃源的な美しさがあり、そしていかなる時もリズムセクションが彼等を愛おしむ様に支えています。
ふわりとしたエレクトロニカ的なビートの一つ一つにさえ感情がくまなく染み込んでいます。

感情の密度が高く、彩度の高いサウンド・スケープ。

ポップさとディープさを自然に兼ね備えているアルバムです。

(3rd)The Violent Blue

レーベルをFake Fourに移してリリースされたアルバムです。

繊細USインディー+エレクトロニカという武器はそのままに、サウンドの重厚さが増しているのが特徴です。
ウッディな温もり、と言い換えることも出来るかもしれません。


前半はアコースティック寄りになっている一方、アルバム終盤はラウドになっています。

ミドルテンポのビートには適度な重みがあり、
アコースティックギターのストロークが軸となり、
ピアノの暖かな深みのある楽器も多用され、
時には濃霧のようにフィードバックノイズを響かせ、
その上にディレイ/リバーブをかけたボーカルをそっと漂わせる。
温もりと厚みのあるレイヤーが重層的に重ねられています。
無論繊細さと鮮烈なエモーショナルさを失わぬままに。
そして、感情が爆発したときにはじんわりと胸の奥に突き刺さるエネルギーが流れ出します。

木の匂いが漂う、温もりに満ちたサイケデリック・インディーロックです。

結び 似ているようで個性的なElectric Presidentのアルバム

いかがでしたか?

エレクトロニカ+インディーロックによるふんわりとしたサウンドという特徴は一貫していますが、そのカラーはそれぞれ個性的です。

小さな違いが大きな違いに繋がっています。
聞き比べるのも面白いです。

それでは。

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