【ヒエログリフ文法語り(11)】皆さんおなじみ不定詞編



こんにちは。

ヒエログリフ文法語り、第11回目は不定詞です。

To+動詞の原型――。
英語の授業でうんざりするほど耳にしたことがあるのではないでしょうか。

日本中の中学生を悩ませた不定詞、古代エジプト語にもあるのです。

あれを乗り越えたなら大丈夫。
良く似たコースを優雅に軽やかに走り抜けるだけです。

例の如く、細かい例外は豪快にすっとばして行きます。

さっそく見ていきましょう。

ヒエログリフ文法語り ミッション11 英語のイメージを胸に不定詞マウンテンを踏破せよ

もう一度おさらいします。
不定詞は動詞を名詞化したものです。

To Sing Is Fun.
歌うことは楽しい。

というような文章を、英語の授業で随分書かされたし「~するために」「~すること」という訳語に当てはめた記憶があります。

ヒエログリフでもだいたい同じです。
今のところは、だいたいで十分です。

不定詞化するときの変化

不定詞化するときの変化は、主に2パターンあります。

  1. 女性形の語尾tがついて不定詞となるもの
  2. 原形のまま不定詞となるもの

以上です。

では、もう少し具体的に見てみましょう。


(1)女性形語尾tがついて不定詞になる動詞

語尾tがついて女性形になるものは3子音動詞、3子音使役動詞、4子音動詞の一部、不規則動詞です。

もっとざっくり覚えるなら、

  • 3子音動詞とそれに使役の意味を持たせた動詞、
  • 3種類しかない不規則動詞、
  • (なんか例外もあるらしいけど、まあいいや)

が女性形になる、と覚えておくのが楽でしょう。

「……3子音動詞? ……不規則動詞? ……くっ……何も、思い出せない……!」という方はこちらへ。

用例としてはこんな感じです。

では、次に行きましょう。

(2)原形のまま不定詞になる動詞

上記(1)以外の全ての動詞が、原形のままということになります。
楽ですね。ありがたい。

不定詞の意味上の主語

不定詞を使う際には一定のルールがあります。

繰り返しますが、不定詞は動詞が名詞化したものです。
よって、意味上の主語と目的語を持ちます。

「意味上の? 意味がわからねえ……」
と思う方もいるでしょう。僕もです。

そうですね……。
例えば、

は一発芸をする。

と言う語の主語は「僕」です。

僕はが白けるように一発芸をする。

という語において(英訳した際に)不定詞にあたる「白ける」の主語は「」なわけです。
その部分をどうやって文章で表現するか、お作法的なところをちょっとだけ見てみます。



case1.他動詞の場合

意味上の主語はinという不変化詞に添えて表されます。

ただし、直接目的語の場合は不定詞のすぐ後に置かれます。

また、代名詞の場合は接尾代名詞が用いられます。
…が、しかし(すいません。例外ですが、ボリュームがでかいので)、3人称単数の女性形、3人称両数と複数については従属代名詞stが用いられます。

Case.2 自動詞の場合

自動詞の場合、主語は不定詞のすぐ後に置かれます。
また、代名詞の場合は接尾代名詞で表されます。

不定詞の機能

不定詞には5の機能があります。

ざっと、バイブスを感じておけば大丈夫でしょう。
何せ、ネイティブスピーカーはいないのですから。

(1)名詞としてnの後について、関節属格として働く。

通常の名詞と同じように関節属格として使います。
「~するための」と訳されます。

「ハートのキング」とか「豚の快楽」とかと同じ「~の」ですね。

エジプト語の場合は、日本語のように前から後ろに意味がかかるのではなく、後ろから前に意味がかかります。
King of Heartとか、Pleasure of Pigsですね。

「属格、何も、思いだせない」と言う方はこちらへ。


(2)文の見出し(タイトル)、場面説明、強調したい叙述を表わす。

文章のタイトル・小題や、場面説明など強調したい場合に用いられます。
例えば、上の例文の場合、女神が語った言葉が後に続いていくことになります。

(3)動詞の目的語になる。

「~するために」と訳されます。
我々がイメージする不定詞という言葉に一番近い用法ですね。



財宝を得るために船で冒険する。
我々がイメージする古代の冒険に、一番近い古代エジプト語の文章ですね…。


(4)前置詞について同時進行の事柄や状況、目的や結果を表わす。

同時進行の事柄や状況にはhrやmが用いられます。
一方、目的や結果にはrが用いられます。

それぞれ見てみましょう。

略奪しつつ(同時進行)、北へ進んだ。ということです。

では、続いてrの方を。

この場合、前置詞rは不定詞「すること」のターゲットを示しています。
この「私」、一体何をされてしまうのか非常に気になります。



(5)否定語について「~せずに」という意味を表わす。

ようするにnn以下のことは起こらない、ということでしょう。

これも前後の文章がとっても気になりますね。
追い返されず……出たり入ったり……。

結び ヒエログリフ文法語り(11) 不定詞はなじみ深い文法で助かる。ということ。

いかがでしたか。
やたらにバリエーション豊富な人称代名詞や動詞の状態形などと比べるとなじみ深い文法なので、多少抵抗感が薄かったのではないでしょうか。



ちなみに、気付かれた方も多いと思いますが、いくつかの例文には過去の意味が入っています。
今までに触れた過去形は使っていないのにも関わらず。

何故かはいつの日にかお話します。
ええ、いつか、きっと……。

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