【ヒエログリフ文法語り(4)】面白変化な形容詞




こんにちは。


第4回も、ヒエログリフ文法の簡単なところをさらっと語っていきます。
ややこしい例外には目を背けつつ……。


さて、今回は形容詞です。

形容詞の機能(いかにもヒエログリフな文法事項)

エジプト語の形容詞には、主に3つの機能があります。

1、名詞を形容する。

一番スタンダードな『形容をする』機能ですね。

エジプト語では形容する名詞の後ろにつきます。
例えば、日本語だったら「青い牛丼」という語順になるところが、「牛丼・青い」になります。

また、かかる名詞の性・数と全く同じ形の語尾変化が起きます。
「名詞の語尾なぞ知らん!」という方は、名詞編を見て何となく思い出してください。

2、名詞化する。

形容詞の最後に決定詞が付くと、名詞になります。

決定詞って何?という方はこちらを見て「ああ、そういえばそんなんあったわ」と思い出しておきましょう。

3、後ろに名詞を伴って全体として形容詞になる。

名詞の後ろにつく場合、その名詞を形容します。
しかし、名詞の前についたらその名詞を含めた全体で形容詞として機能します。

……よくわからないですね。

具体例を見てみましょう。


日本語でいうと「鬼やばい」のようなものでしょうか。
「やばい鬼」だと「鬼」を形容し、頭のおかしい鬼を指す言葉になりますが、
「鬼やばい」だととんでもなく凄まじいことを指す形容詞になります。

形容詞が名詞を取り込むことによって、本来その形容詞が持っていた意味が変化するんですね。

特殊な形容詞 (意外と自由なヒエログリフの文法)

名詞や前置詞から派生した形容詞

形容詞には名詞や前置詞から転じた単語もあります。

日本語の例で考えてみましょう。
『牛丼のような匂い』と言うとき、『牛丼』という名詞を形容詞のようにして扱っていますね。
『都会風のリンボーダンス』と言うのなら、『都会』という名詞を形容詞のように使っています。

エジプト語でも同じような形容詞化ができるのです。

そして、名詞・前置詞から派生した形容詞は、他の形容詞とは異なる語尾変化をします。


億劫ですね。


まあ、とりあえずどんなものか見てみましょう。

そんなに複雑ではありませんね。

ただし、実はこのあたり、結構面倒くさい例外があります。
ただ、そういうのは分からなくて困ったときに、調べましょう。

指示形容詞

英語でいうところの、This,Thatですね。
日本語だと『この』、『あの』、『その』です。

そして、例のごとくかかる名詞の性・数によって変化します。
何故……そんな面倒なことをするのでしょうか…。

なお、指示形容詞は名詞の前と後ろにつくものがあります。
下の図を見てみましょう。

青字で書かれているものは、名詞の後につきます。

緑字で書かれているものは、名詞の前につきます。

また、nで始まる指示形容詞は、名詞との間にnを入れる必要があります。


うんざりしますね。

しかし、ヒエログリフも人生も理不尽の連続です。
どちらものらりくらりやっていきたいものです。

結び 形容詞は、ヒエログリフ文法が持つ魅力の先駆け

いかかでしたでしょうか。
このあたりから徐々にヒエログリフ的な個性が出てきますね。

迷路のように複雑で、遺跡のように摩訶不思議で。
ついつい先に進みたくなってしまうほどに魅惑的です。



さて、次回はヒエログリフの文の種類についてお話します。
今回よりは簡単、かな。





それでは、また。


ヒエログリフ入門~古代エジプト文字への招待 ~

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