Dorian Conceptのアルバムについて。変幻自在のビート・ミュージックと幻想的蜃気楼の汽水域で蠢動する、スモーキーな濃霧の揺らめき。

こんにちは。

Dorian Conceptはオーストリア出身のコンポーザー/キーボート・アーティストOliver Thomas Johnsonによるソロ・プロジェクトです。

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カテゴリーとしてはジャズ、ファンク、ヒップホップ、テクノ、エレクトロニカなど多様なジャンルにまたがるビート・ミュージックといったところでしょうか。

2020年9月現在、Dorian Conceptは3枚のフルアルバムをリリースしています。
本記事では、その全てを語ります。

Dorian Conceptのアルバムについて

文字だけでは分かりにくいと思い、相関図も作ってみました。

(1st) When Planets Explode

2009年リリースの本作は、Flying Lotusたちを総称する言葉として用いられていたビート・ミュージックというカテゴリーに見事に当てはまる音楽と言えるでしょう。

多くのジャンルが混ざり合った打ち込み系グルーヴのうえでサイケデリックに揺れ動くSF系シンセ、
時にジャジーに、時にスペースファンキーに、奇妙に混ざり合いながら近未来曼荼羅模様ともいうべき、濃厚なサウンドを展開しています。


また、全体的にデビュー作らしい危ういエネルギーが充満しているのも特徴です。
同時代のビートメイカーたちと似通った雰囲気が漂っているかもしれませんが、本作には秘めた才能がヒリついた空気感となって奔流しています。

アルバムタイトルにふさわしい(When Planets Explode 惑星が爆発するとき)、圧倒的なエネルギーが蠢いています。

(2nd)Joined Ends

名門Ninja Tuneへ移籍してリリースされた本作はアナログ機材を多く導入して制作されました。

Ninja Tuneによれば本作Joined Endsは「ふわふわ漂う透明な夢と、共感覚的なワンダーランドへのディープな旅の中間のようなもの」 とのこと。
確かに白昼夢的というか、前作のヒリヒリとした曼荼羅的なサウンドから叙情的でドリーミーなサウンドに切り替わっています。

前作までは彼の愛していた先達の影響がモロに出ていましたが、本作ではその全てが幻想的に溶け合っています。

アナログシンセの柔らかい音色が絡み合い、小刻みで心地よいエレクトロニカ系のビートを従えながら囁くように物語を紡いでいくような、陶酔的なニュアンスが強く出ている、と言えばいいのでしょうか。
大きな起伏があるわけではありませんが、着実に聴き手を引き入れるまどろみのような吸引力の高い揺らぎが続いてきます。

ジャケットアートどおりの白を連想させるような、あるいは夢の浅瀬で佇んでいるような、スロウな抒情詩を聴かせてくれる作品です。

(3rd)The Nature of Imitation

ビートミュージックの代表格Flying LotusのレーベルBrainfeederからのリリースとなった本作The Nature of Imitationについて、Dorian Conceptは本作を「最後の試合」だと思って制作したそうです。

つまり、総力戦とも言い換えることができるでしょう。

1stのヒリヒリしたサウンド&ビートと2ndの夢想的な叙事詩を組み合わせ、死力を尽くして生み出したような作品です。

透明感と熱量を併せ持つシンセの揺らめき、心地よさの奥底でグルーヴを感じさせる打ち込み系のビート。
決して爆発するようなことはありません。ただし、やや抑制された展開の奥底で常に熱さが滾っているのは、本作の強い魅力と言えるでしょう。

絶妙に間を外すグルーヴ感と艶やかでムーディな空気感もまた外せません。
様々な要素が総体となって、めくるめくビートの万華鏡を作り上げています。


まさしく総決算とも言える作品でしょう。

Dorian Coceptのアルバムについて:主要参考サイト

http://www.ele-king.net/interviews/006460/index-2.php https://jp.residentadvisor.net/news/25410

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