エジプト発、Dijitについて。煙たく陰鬱なトリップホップ/ベースミュージック

こんにちは。

Dijitはカイロを拠点にするビートメイカー/プロデューサー/フォトグラファー/フィルムメイカーです。

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主にトリップホップの影響を感じさせつつもベースミュージック全般、IDM、中東伝統音楽などの影響を織り交ぜた音楽性を特徴としています。

Dijitは2021年4月現在、1枚のフルアルバムをリリースしています。
本記事ではそれを見ていきたいと思います。

※Apple MusicやSpotifyには2014年にもDijit名義のアルバムが掲載されています。しかし、各サイトを見ても1stアルバムとしては言及されているのはHyperattentionとなっています。2014年の作品はそもそも言及されておらず、Discogsにも記載されていません。また、Soundcloudのアカウントも分かれています。よって、少なくともDijitとしてのフルアルバムにはカウントされてないと判断しています。間違い等ありましたら訂正いたしますので、ご指摘願い致します。

Dijitのアルバムについて:Hyperattention – Selected Dijital Works Vol 1について

2020年にリリースされた本作は2013年から2018年に制作されたトラックを収録したもので、ほぼ全ての曲でゲストヴォーカリスト/ラッパーがフィーチャーされています。

全体の雰囲気としては、退廃的でクールなダウナートリップホップといったところでしょうか。
スロウで陰鬱なトラックに、細々と喋るようなボーカルが乗せられている局面が多いのが印象に残ります。

ただし、トラップ、グライム、ダブステップ等々ベースミュージックの影響が取り入れられており、古臭いニュアンスはありません。
また、時折顔を出す中東伝統音楽の妖しさがヒップホップ的なドープさと混ざり合って化学反応を起こし、蠢くように濃密なスラム的サウンドスケープを形成しています。

沈み込むようなダウナーさを終始漂わせていますが、崩れ落ちるような弱さはありません。
暗闇の片隅で牙をむく野犬のような、細身ながらも精悍で、そして芯の通った狂気を帯びています。

実験的で、抽象的。危うくて、アーティスティック。
夜の路地裏のような、暴力の痕跡が仄かに漂う陰鬱さが鮮烈に響いていきます。


エジプト出身というアイデンティティも必要に応じて見せていきますが、基本的には世界基準のサウンドを披露しています。
中東出身のアーティストにありがちな(良くも悪くも)スキのある感じはしません。
そのうえ、必要に応じて自らのアイデンティティを他人が持っていないカードとして上手に切ることによって、クオリティを維持したうえで差別化を図ることにも成功しています。

色男が持つ危ない魅力を、表現しているアルバムと言えるでしょう。

主要参考サイト:Dijitのアルバムについて

https://scenenoise.com/Features/hashem-kelesh-not-just-noise

https://theyouthlabel.bandcamp.com/album/dijit-hyperattention-selected-dijital-works-vol-1-yo7th

https://scenenoise.com/New-Music/egyptian-producer-dijit-releases-mesmerising-trip-hop-album-on-uk-label-youth

https://www.discogs.com/artist/7894905-Dijit

https://bleep.com/release/190119-dijit-hyperattention-selected-dijital-works-vol-1

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