Destroyalldreamersのアルバムについて。シューゲイザーと黙示録的闘争の、妙なるハーモニー

こんにちは。

Destroyalldreamersは2002年にカナダのモントリオールで結成された4人組のインストゥルメンタル・ロックバンドです。

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その音楽はポストロックのカテゴリーに属するものになるかと思います。
シューゲイザーとGodspeed You! Black Emperor的美学の融合とも言われており、耽美で陶酔的なサウンドと血潮の滾るプロレタリアート文学の奔流を特徴としています。

Destroyallreamersというバンド名も同郷のThee Silver Mt. Zionに由来するんだとか。

2021年6月現在、Destroyalldreamersは2枚のフルアルバムをリリースしています。
本作ではその全てを語ります。

Destroyalldreamersのアルバム一覧

これからリリース順にアルバムを見ていきますが、文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作成してみました。

では、本題に入りましょう。

(1st)A Coeur Leger Sommeil Sanglant

4AD諸作/シューゲイザーのような耽美を印象的に漂わせているのが本作の特徴でしょう。

アンニュイで物憂げな雰囲気を基盤としつつもしなやかなビート感も兼ね備え、ソフトなテクスチャーの奥に肉食獣めいた危うさを漂わせています。

深くディレイをかけられたギター、
サウンド全体の骨格を形作る堅実なベース、
無駄を排し、流れるような響きのドラムス。
極めてシンプルな作りになっており、だからこそシューゲイザーを連想させるディレイがかったアルペジオやディストーションが効果的に聴き手を音世界に引き込みます。

ただ、いわゆるシューゲイザーのような繊細かつ濃厚な陶酔感というよりも、流れるようなさらっとしたニュアンスを帯びているのが本作の個性の一側面でしょう。

そして、カナディアン・ポストロック的で黙示録的/啓示的な熱量がその奥底にあるのも重要な点です。

揺蕩うような響きの中にも武骨さがあり、耽美の中にもプロレタリアート的な文学性があり。
優美でありながらも現実離れしたような幻想性はなく、ぞの勇壮な響きには地に足のついた揺るぎない立ち姿を見出さずにはいられません。

シューゲイザー的方法論を、虚飾の無いシンプルな「生」の表明に用いているようなアルバムとも言えるでしょう。

(2nd)Wish I Was All Flames

シューゲイザー的な耽美感を増しつつも、地に足の着いた武骨さも変わらず備えているのが本作の特徴でしょう。

物憂い甘美さを存分に放ちつつも不屈の闘志にも満ちており、毅然とした力強さを漂わせています。


深くディレイをかけられた、揺らめく火影のようなギター、
サウンドの基軸となるベース、
悠然としなるドラムス。
ダークなロマンティズムを描きつつも、その実、実直で真っすぐな怒りや苛立ちが込められているようにも感じます。

シューゲイザー的な陶酔感とカナディアン・ポストロック的なプロレタリアート文学感という両極端の要因が違和感なく共存しており、ふわふわと揺蕩う幽玄さの中にも野性の血潮が脈打つような力強さが立ち込めています。

陶酔性も文学性も濃密であるため、ずしりとした重厚感を帯びているのは本作の特徴でしょう。また、不穏な雰囲気を秘めている瞬間が多いせいか、なだらかな展開にも並々ならぬ迫力が漂っています。

陶酔的な響きに歯を食いしばるような力強さが混ざりこんでいる、ゆったりとしつつもヘヴィなサウンドを奏でているアルバムです。

主要参考サイト:Destroyalldreamersのアルバムについて

https://en.wikipedia.org/wiki/Destroyalldreamers#cite_note-1

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