珠玉の古代エジプト・ミステリ   死が最後にやってくる/アガサ・クリスティー



こんにちは。

二十世紀を代表するミステリ作家、アガサ・クリスティーが紀元前2000年のエジプトを舞台にした小説を1944年に発表しています。

それが本作『死が最後にやってくる』です。

日頃ミステリを全く読まなく、恥ずかしながらアガサ・クリスティー初読だったのですが、とても面白かったです。

その魅力を簡単に語りました。

『死が最後にやってくる』の魅力 古代エジプト的なミステリアスさとミステリ的な起伏のあるストーリー展開

簡単なあらすじ

主役の若い女性レニセンブが子どもテティと共にナイル川沿いの実家に帰るところから物語が始まります。

夫ケイを亡くしたレニセンブは深く傷ついており、実家で暮らす皆が昔と変わっていないことを願います。
事実、表向きの性格は自分が嫁に行く前と何も変わっていませんでした。

だから大丈夫。レニセンブはそう信じようとします。
だけど、農地や財産などを管理するホリは果たしてそうかと疑問を呈します。
そして、家長のインホテプが若い妾ノフレトを連れてきたことが、大きな波乱を巻き起こすことになります。

『死が最後にやってくる』 の魅力

やはり、なんといっても複雑に入り組んだストーリー展開でしょう。
ミステリである以上、当然殺人が起こり、それなりの人数が死んでいきます。
つまり、犯人は誰か? 次の犠牲者は誰か? 狂気は何か?
というストーリーラインがとてもスリリングで魅力的です。

さらに殺人が繰り返されるにつれて、登場人物の皆が抱えていた内面がじわじわと炙りだされていくのも、人間性の描写としてよく出来ていて引き込まれます。
これも実に見事で年齢、性別、育った環境によって人がどのように形成されるのかを透徹に描写しています。

さらに話が進むにつれて、レニセンブの恋が絡んでくるわけです。
具体的に言うと、「あたし、一体どっちを選ぶの!?」的な。
これもワクワクします。

それから舞台設定が古代エジプトというのもミステリアスで良いですね。
殺害方法とかも、意外な手段があるんです。

つまり、『死が最後のにやってくる』の面白さを要約すると、

  • ミステリとして超面白い
  • 人間の奥深さを描いてて超面白い
  • 恋路が気になりすぎて超面白い
  • 舞台が古代エジプトだから超面白い

ということになります。
うん、完璧。

エジプト関係余談トーク

ちなみに言うと舞台はテーベ、現在のルクソールです。
邦訳ではシーブスとなっていますがThebesのスペルを読み間違えたと思われます。


舞台になっている紀元前2000年は、エジプト通史上においては第一中間期と呼ばれる時代です。
エジプトが南北朝に別れていた時代でもあり、飢餓や社会的混乱が起こっていた時代でもあります。

南北で風俗が違うことは作中でも触れられていましたが(様々な文化が集う北部から来たノフレトにとっては南部は退屈)、混乱についてはあまり感じられませんでしたね。

統一に向けた戦争が起きるのはこれからなのでしょうか(それを匂わせる発言はありました)。
作中人物の未来についても想像してしまいました。無事でいてくれるといいのですが。

最後に アガサ・クリスティーと『死が最後にやってくる』が教えてくれたこと

何となくミステリを読まずに生きてきたのですが、ミステリ、めちゃくちゃ面白いですね。

惹きつけられる物語展開があるし、人間とは何ぞやということもシンプルかつディープに描いている。

素晴らしいエンターテイメントだと思いました。
もっと読みます。

それでは。

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