こんにちは。
Codeineは1989年にニューヨークで結成されたロックバンドです。

スロウコア/サッドコアの領袖とも言うべき存在で、その静謐で陰鬱なサウンドは凄みのある存在感を放っています。
2021年10月現在、Codeineは2作のフルアルバムをリリースしています。
本記事ではその全てを紹介します。
Codeineのアルバム一覧
これからリリース順にアルバムを見ていきますが、文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作成してみました。

では、本題に入りましょう。
(1st)Frigid Stars
陰鬱で鋭く、スロウで殺伐としたサウンドが印象的です。
ボーカル、ギター、ベース、ドラムスによるシンプルなバンドサウンドで、粗く荒涼とした文学性を描き出しています。
無駄がなく、しばしばスロウコアに散見されるカントリー的なノスタルジーさがあるわけでもなく、剥き出しになった己の内面と向き合うようなダークなストイックさが徹頭徹尾続いています。
シンプルでゆったりとしたリズムセクション、
高らかに響くエレクトリックギター、
素朴な男性ボーカル。
必要最小限のパーツで凶暴さを内に秘めた幽玄さを醸成しつつ、時に繊細に荒れ狂う狂気を波打たせることもあります。
同時代のグランジにも似た暗澹たる心象風景を、沈み込むようなダウナーさを刺々しくもナイーブなタッチで創りあげています。
ゆったりとした静謐さの内には苦悩や狂気が渦巻いており、その二律背反性は異形の気迫を感じさせます。
スロウコアの巨星にふさわしい、鬼気迫る存在感を放つアルバムです。
(2nd)The White Birch
スロウで殺伐とした雰囲気を存分に残しつつ、良い意味でこなれている作品と言えるでしょう。
ハードコア的なざらつきや危うさをぎらつかせながらも、暗鬱な文学性も色濃く湛えています。
繊細な刺々しさはそのままに叙情性が若干高まっているのは大事な点でしょう。
無駄な音がなく、静寂には緊張感が張り詰め、沈み込むようなダウナーさをしなやかに描いています。
荒涼とした雰囲気は相変わらず、しかし聴き手を突き放したような感じはなく、剥き出しの苦悩を聴き手に伝わりやすいようなダイレクトさで鳴らしています。
蒼く、暗く、儚く狂気。
とでも言えば良いのでしょうか。
静かにのたうつダウナーな迫力は『詫び寂びの狂気バージョン』といった趣の、荒れ狂う寂静さを淡々と奏でています。
Codeineはスロウコアでも特に熱狂的なファンが多い印象を受けますが、その理由がよく分かるアルバムだと思います。
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