こんにちは。
Chinese Footballは中国武漢出身の4人組バンドです。
ジャンルとしてはエモ/ポストロック/パンク/インディーロックという括りになるでしょうか。
名前どおりAmerican Football、あるいはもっと広くキンセラ・ファミリーからの影響が非常に強いバンドです。
ただ、それだけじゃない魅力があって、聴いていると楽しい気持ちになります。
Chinese Footballの魅力 American Footballとの違い
囁くようなボーカルや澄んだギターアルペジオの切なくも繊細なキラキラ感は、まさしくAmerican Footballの影響を感じさせます。
アメフト直系子孫のキラキラ感は、間違いなく彼等の武器です。
ただ、Chinese Footballの素敵なところは、他にもあります。
その違いを2つピックアップしたいと思います。
1、他にも様々なバンドの影響を受けていること
- Epic45のアンビエントなギターアルペジオ。
- 轟音系ポストロック的(Euphoria?)な緩急の使い分け。
- Cap’n Jazz或いはEnvyのような絶叫。
- toeの鋭角なリズムと澄んだ音色の組み合わせ
- 東アジア的なポップネスも存分に発揮
このあたりは、モロですね。
おそらく彼等は、この界隈のインディーミュージックが好きなのでしょう。
悪く言えば雑多ですが、良く言えば音楽への無邪気な愛情が詰まっています。
さらに言い方を変えれば、彼等は影響を受けた音楽をまだ上手く消化出来ていない、ということも出来ます。
しかし、完成されていればより良いというわけではないのが音楽の面白いところです。
次から次へと影響元が顔を出すアルバムの展開は、まるで大きな具材がざく切りで入っているシチューやスープを食べているようです。
オリジナリティとかアイデンティティに捕らわれておらず、非常に大らかなで豪快なところが聴いていて楽しいです。
そんなこんなの結果としてAmerican Footballよりも普通のインディーロックに接近しています。
日本のインディーロックにも近いですね。
聴きやすいと思います。
2、作品を覆うキラキラな空気感がわずかに違う。
American Footballの魅力には独自のキラキラ感があります。
そして、Chinese Footballも同様のキラキラ感を個性にしています。
しかし、そこには微妙な違いがあります。
わずかではありますが、色彩や光彩のバランスが違うように感じます。
文化の違いを端緒にしているものかもしれません。
中華的で雅な旋律がふと鼻先をかすめることもあり、その塩梅はI Am Robot and Proudにも似ています。
アメフトが王道的なキラキラだとすれば、チャイフトはもう少し雅ですね。
ナード感はあるのに雅。そして、繊細。
そのアンビバレンツさが成り立たっているということは、それだけ彼等の感性が繊細ということなんでしょう。
Chinese Football 日本と同じポップ・ミュージック界の辺境における雄として
Chinese Football、非常に素晴らしい音楽だと思います。
中国文化圏ということですとWang WenやCicadaくらいしか聞いたことがなかったのですが、他にも色々聞いてみたいですね。
日本も中国もポップミュージックといえば辺境の存在です。
辺境たる我々は中心たる欧米にばかり目を向けがちですが、もっと近くにある素敵な文化にも近づいていきたいですね。
きっと互いに良い影響を及ぼせると思うのですが。
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