こんにちは。
Billy Mahonieは1997年にイギリスで結成されたインストゥルメンタル・ロックバンドです。

カテゴリーはポストロック。とはいえ、ジャンルの「イメージそのまま」のサウンドではなく、ラフ/プリミティブ/少しズレたサウンドを特徴としています。
2022年8月現在、Billy Mahonieは4作のフルアルバムをリリースしています。
本記事では、
- 4作のフルアルバム
- それ以外の個人的に好きな作品
について紹介します。
目次
Billy Mahonieのアルバム一覧
リリース順にフルアルバムを見ていきますが、文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作成しました。

あくまで個人的イメージです。ご容赦ください。
(1st)The Big Dig
デビュー作ということもあり、後の作品よりもプリミティブな魅力が目立ちます。
DIY感漂うモッサリ系インディーポストロック、といった感じです。エレクトリックギター、ベース、ドラムス。無駄の無い構成で、ラフながらも余裕を感じられるサウンドを創っています。
ハードコア系ポストロック的な粗い質感とモタっとしたビートを軸にした薄暗い雰囲気の楽曲が、あか抜けない熱を帯びながら淡々と続いているのがまず印象的。ただ、徐々に優しい雰囲気の曲も姿を見せるようになります。あまり一つのスタイルに固執せず、そのうえ常にシンプルに演奏しています。
良い意味でのB級感を濃厚に漂わせつつ。心に迫るエモーショナルさもあり。UK的な叙情性も仄かにあり。プリミティブなポストロックの魅力が感じられるアルバムです。
(2nd)What Becomes Before
B級感のするプリミティブなポストロック、という前作路線を踏襲した作品です。
ただ、楽曲構成的なヒネりが効いているのが印象的。シカゴ音響派にも微妙に通じる透明感も相まって、実験精神が不器用な温もりと共に萌芽しています。
もちろん、ハードコア的なラフさや迫力も健在。ヨレっとしつつ前作よりもキレの良いグルーヴが魅力。ダイナミックなバンドサウンドが、垢抜けない爆発力を適切なタイミングで魅せてくれます。
前作よりも表現の幅が広がっていますが、前作同様DIY感漂う魅力を秘めた作品です。
(3rd)Dust
全体的に大人びた渋みを帯びた作品です。
ハードコア系の粗い質感やロック的な躍動を基調としつつ、円熟を感じさせる落ち着いた雰囲気が印象的です。ゆったりとしたグルーヴと独特の音響感が、じわじわと弱火で煮込んだような濃厚な質感を生み出しています。
淡々とした躍動感を紡ぐエレクトリックギターやくすんだ音色のシンセ/フルートが、大人の余裕とアンダーグラウンドの煙たさの両方を紡ぎ出しています。ただ、例のごとく作風は多彩。牧歌的な曲も迫力全開の楽曲もあります。
とはいえ、本作も基本的にはB級感が濃厚。高級スープというよりもジャンクな味わいなのは間違いないでしょう。ただ、ジャンクなりの落ち着きや品格が感じられる作品であるのも、また事実です。
(4th)BM
風通しの良い、軽やかな作品です。
キャッチー過ぎずに程よいDIY感を湛えた穏やかな楽曲が並んでいます。
中心はゆったりとつま弾かれるクリーンなエレクトリックギターの音色。ひっそりとしつつも有機的な緩急をつけるリズム隊が加わり、牧歌的で心地よい響きを奏でています。
当然B級感は本作でも魅力。軽めなロックサウンドが、優しい余韻を聞き手に残すアルバムです。
フルアルバム以外のおすすめ作
(コンピ)Found
1998年から2000年にかけてのシングルをまとめたコンピレーション。1stや2ndと近い雰囲気の音を求めている方にぴったりです。
モタっとしたリズム感や独特の温もり、UK的叙情性の隠し味。意外にも多い手数。目新しさがあるわけではないのですが、Billy Mahonieの変わらない魅力を秘めている作品です。
フルアルバムより若干ボリュームもあるのも、嬉しい点。
(シングル)Nightmare City
2004年の時期的には3rdと4thの間ですが、表題曲は比較的初期にも通じるラフさが目立っています。もちろんシングルで出すくらいなのでクオリティも十分。
2曲目は……謎のタイトル同様Music For Eating Musican、若干コミカルな雰囲気です。でも、らしさは変わらず、安定したクオリティを発揮するバンドの強みが感じられます。
主要参考サイト
https://en.wikipedia.org/wiki/Billy_Mahonie
open.spotify
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