エジプト旅行での出来事を、エッセイっぽく書いてみた。

こんにちは。

2018年にエジプトに行った時の印象的な出来事をエッセイっぽく書いみました。
短いので是非見てください。

アスワンでの出来事 タイトル:新月のナイルへ

 生憎その日は新月で、店員が置いてった料理もよく見えなかった。

「こいつは貧しい連中が喰う貧しい飯なんだ」

 宿の主人は悲壮に言った。彼はエジプト少数民族ヌビア人の貧困を外国人にも知ってほしくて、僕を屋根も壁もないナイル川沿いの食堂まで連れてきた。

 ただ、周りが暗すぎてその貧しい飯がよく見えない。コメントできない。

「ていうかこれ何?」

「コシャリだ」

 ああ、なるほど。コシャリは米、マカロニ、豆を混ぜ合わせ、その上にフライドオニオンとトマトソースをかけるエジプトのファストフードだ。日本でいうと牛丼。

僕は皿を取って顔に近づける。あれ、これ僕が知ってるコシャリとちょっと違う。

「トマトソースがないよ?」

「貧しい飯だって言ったろ」

重たい現実。でも、沈み込んでたって何も変わらない。元気よく食べてみる。するとこれが超美味い。さくさくさっぱり、旨味は濃厚。

「美味い! 美味いよ! 超美味しいよ!」

 僕が喜んでると、店員だけでなく周囲の客まで喜び始めた。

「これはサービス」

 店員が豆で出来たコロッケをくれた。ナイルのほとりの、とても楽しい夜だった。

そんな感動的なエジプト旅行を終えた後、僕は日本に帰る。仕事する。寝る。仕事する。寝る。すぐ毎日が嫌になる。現実逃避したくなる。そうだ、あれ食べてみるか。コシャリでググる。早速作る。出来上がる。早速食べる。いただきます。おいしくない。

 個別の具材は美味しいのに。米はふっくらだし、マカロニはアルデンテだし、フライドオニオンだってサクサクだし。

 ただ、その美味しいが寄り集まるとバランスが見事にぶっ壊れるのだ。

 食えたもんじゃない。市販のトマトソースをかけたらバジルとニンニクが効いちゃって、もはやイタリアン。偽物コシャリのご生誕。

 それでも僕は嫌なことがあった時はこの偽物コシャリをよく食べる。1Kのアパートで。あの夜を思い出すために。いつかまた本物を食べにいく。その決意を新たにするために。

最後に

いかがでしたか。

感想をいただけるととても嬉しいです。

それでは。

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