American Grandmaのアルバムについて。物憂い美しさが紡ぐ、柔らかな叙情性

こんにちは。

American Grandmaは2015年に結成されたコロラド州出身のロックバンドです。

公式Bandcampより

ジャンルとしてはスロウコアやドリームポップになるでしょう。
心の機微を描いたような、物憂くも繊細なサウンドを特徴としています。

2022年7月現在、American Grandmaは3作のスタジオアルバムをリリースしています。
本記事では、その全てを紹介します。

American Grandmaのアルバム一覧

これからリリース順にアルバムを見ていきますが文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作成しました。

あくまで個人的なイメージです。ご容赦ください。

(1st)Girlcult

ドリームポップ感が強い作品です。

物憂いしっとりとしたサウンドと女性(が中心)のボーカルが溶け合うようにして、儚くも美しい揺らぎを生み出しています。

ローファイなテクスチャーでおだやか/静謐なサウンドを紡ぎ、メランコリックな陶酔感をゆったりと醸成。影を帯びつつもあまり暗くなり過ぎない、切ない雰囲気が魅力的です。


儚げなボーカル、心の揺れを描くエレクトリックギター、柔らかなノスタルジーを描くシンセ、心地よい打ち込みのビート。淡々と揺らめくようにして音楽は続き、その起伏の無さが胸にじんわりと迫るエモーショナルさを引き立てています。

美しく幻想的なのですが良い意味で発展途上感の感じもあり、静謐で儚い響きには初期衝動めいた箱庭感が漂っています。

(2nd)Sensation / Forever

ドリームポップから若干スロウコアによった作品です。

ドリーミィ具合が若干後ろに下がり、切なさやエモーショナルさが「幻想」から「生っぽさ」に近づいています。夢見る文学少年(少女)的な感情から、現実の人間関係に根差した憂鬱へ、というところでしょうか。

物憂くて柔らかな響きは変わらず魅力的。ただ、(楽曲によって程度の差はあれど)音の輪郭がやや明瞭になっています。静謐な揺らぎが淡々と/のびやかに続き、メランコリックな幻想性をゆったり紡いでいます。


溶けていくような女性ボーカル、心の機微を描くエレクトリックギター、ノスタルジックで時にオリエンタルなシンセ、楽曲の奥底で時を刻むビート。バンドサウンド感が強い楽曲ほど生っぽいエモーショナルさが強いようにも感じられます。時に優美な力強さを帯びるほどに。

幻想に現実が入り込みつつあるような、ニュアンスの作品です。

(3rd)Superdog

一気にスロウコアへと振り切った作品です。

幻想的な物憂さは消え、切ない雰囲気は残しつつも重たい現実を思わせる陰鬱さが密やかに奏でられています。

スロウで淡々としたサウンドを基調としつつも、緩やかな緩急を効果的に使うことで聴き手を曲の世界へと引き寄せています。粗めのバンドサウンドで繊細な感情を描き出しており、生々しくも儚い雰囲気を演出していることも魅力です。

囁くように歌う男性ボーカル、鋭くもメランコリックな響きを紡ぐエレクトリックギター、ゆるやかなリズムを生み出すリズムセクション。軸になるのは、内省的な美しさを感じさせる静謐なサウンド。気だるい盛り上がりを効果的に挟みながら、楽曲は進んでいきます。

現実の重苦しさを物憂い静謐さの中に溶け込ませた、もの悲しくも美しいアルバムです。

主要参考サイト

https://americangrandma.bandcamp.com/

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