こんにちは。
Aerosolはデンマーク出身のRasmus Rasmussenによるソロプロジェクトです。

ジャンルとしてはエレクトロニカになるでしょう。
名門レーベルn5MDからもリリースしており、電子音と生楽器を織り交ぜた繊細できめ細やかなサウンドを魅力としています。
2022年6月現在、Aerosolは3作のフルアルバムをリリースしています。
本記事では、その全てを紹介します。
目次
Aerosolのアルバム一覧
これからリリース順にアルバムを見ていきますが、文字だけでは分かりにくいと思って相関図を作成しました。

あくまで個人的なイメージです。ご容赦ください。
(1st)All that is Solid melts into Air
ゆったりとしてきめ細かく、暖かくも繊細なサウンドに身を委ねられます。
丁寧に編みこまれた、優しく幻想的なテクスチャーが特徴でしょう。泡沫のように淡いビートとゆったりと伸びていく生楽器の音色がただただ儚く、胸を打つような美しさを描き出しています。
透明感があるシンセ、伸びやかな響きを聴かせるエレクトリックギター、きめ細かく優しく揺らめくエレクトロニカビート。シンプルなサウンド構成で木漏れ日や陽だまりのような暖かみを演出しており、ノスタルジックで幻想的なサウンドスケープを形成しています。
後の作品と比べると煌びやかがなく、その素朴さが優しい幻想性を生み出しています。アルバムを通して大きな起伏はなく、アコースティックで心地よい音の揺らぎや転がりを楽しむことができます。
生活や心に寄り添うサウンドトラックを求めている方にはハマりやすいタイプの音楽でしょう。
(2nd)Airborne
前作の路線を踏襲していますが、完成度が上がっているように感じられます。
丁寧で、幻想的。きめの細かい電子音と生楽器がそっと溶けあう優しい響き。前作よりもアコースティックギターの存在感が強まっていることで、両者の対比がより鮮やかに浮かび上がっています。
きめ細かく揺らめく繊細なビート、ゆったりと広がる淡いシンセ、伸びやかな響きを効かせるディレイの効いたエレクトリックギター、素朴なニュアンスのアコースティックギター。壮麗でエモーショナルな響きを含みつつ、美しくゆったりとしたサウンドスケープを展開しています。
暖かくて、優美。出過ぎることなく、控えめすぎるわけでもなく。小難しいことはせず。揺らぎの心地よさ・美しさを最適解のバランス感覚で響かせています。
優しいエモーショナルさをたっぷりと含んでいるものの前作ほどのノスタルジー感はあまりなく、瑞々しくポジティブな幻想性が感じられるのも魅力的です。
生活にさりげなく寄り添う、エモーショナルなエレクトロニカ。本作Airborneの魅力はそんなとこるにあるのだと思います。
(3rd)Leave
前作の路線を踏襲しつつさらに奥行きが広がり、ゆったりとした揺らぎを深めている作品です。
幻想的な音響空間が心地よく揺蕩い、おおらかな旋律がゆらゆらと浮かんでは消えていく。優美で暖かい、生活に根差した美しさを感じられる音楽が続いています。
伸びやかに行き交うシンセ・電子音、繊細ながらもキラキラとした響きを紡ぐエレクトリックギター、アナログ的な暖かさを感じる打ち込みのビート。ゆったりとした響きの中に程よくエモーショナルなニュアンスを散りばめており、ひそやかな音の揺らぎがドリーミィながらも色彩の鮮やかなサウンドを紡いでいます。
アコースティックの存在感がやや下がった結果、明度/彩度が上がり、ゆったりとした温もりの中にも壮麗な雰囲気も感じられるのも特徴。シンセ・エレクトリックギターがきらめきながら幾重にも折り重なって、陶酔的な音の揺れを描く瞬間が印象的です。
その一方でピアノやアコースティックギターで素朴でノスタルジックな雰囲気を醸し出すこともあり、バリエーションの豊かさも魅力となっています。
1st,2ndを経て、完成度を高めたアルバムとなっています。
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